米男子ツアーのプレーオフシリーズ第2戦、BMWチャンピオンシップが14日、米メリーランド州のケイヴスバレーゴルフクラブ（7,601ヤード・パー70）で開幕する。

　昨年メジャー2勝を挙げたザンダー・シャウフェレ（米）が、今年は本来のプレーを見せられずにいる。ポイントランクは43位。上位30人に絞られる最終戦のツアーチャンピオンシップ（21日～）に進出するには、今大会で大きなジャンプアップが必要だ。ツアー公式サイトによると、計算上は単独21位以上で生き残りのチャンスがあるが、他選手の状況により実際はそれ以上の成績が求められる可能性が高い。

「ルーキーイヤーの時ですら、もっといいポジションにいた」とシャウフェレは語る。2016-2017シーズンは終盤のザ・グリーンブライアークラシックでツアー初優勝を飾ると、初出場のツアーチャンピオンシップも制覇。「あの時に少し似た感覚だ。プレーオフを勝ち抜いていくしかない。自分とチームにとって、これが正念場だ。全てを出し尽くすしかない」と気合を込める。

　今シーズンのトップ10入りは3回止まり。予選落ちはゼロとツアー屈指の安定感は相変わらずだが、昨シーズンのトップ10入り15回と比べれば大きな後退だ。精度の高いアイアンショットは健在で、ストローク・ゲインド（SG）アプローチ・ザ・グリーンではツアー10位につけるが、ティーショットとパットの数字が大きく落ち込み、SGオフ・ザ・ティーは110位、SGパッティングは125位と精彩を欠く。

　今週突破できなければ、キャリアで初めてツアーチャンピオンシップの出場を逃すことになる。それでもシャウフェレの表情に悲愴感はない。メジャー制覇による今後数年間の出場資格に加え、今大会の出場で来シーズンのシグネチャーイベントの出場権も確保済み。背負うプレッシャーは限られており、本人も「失うものは何もない」と吹っ切れた様子を見せる。

　崖っぷちからの滑り込みはあるのか。今週はシャウフェレのプレーから目が離せない。

（写真：Getty Images）