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プレーオフ初戦にマキロイ不在が波紋 欠場理由はコースとの相性か体力温存か
2025年8月7日(木)午後0:19

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36歳のローリー・マキロイ(北アイルランド)が7日から開催されるプレーオフシリーズ初戦、フェデックスセントジュードチャンピオンシップ(テネシー州/TPCサウスウィンド)を欠場することが波紋を呼んでいる。
今季のマスターズを制して生涯グランドスラムを達成し、世界ランク2位のマキロイは、出場資格のある70人のうち唯一の欠場者。大会はツアー最大のスポンサーであるフェデックスが冠を務め、賞金総額は2,000万ドル(約31億円)に上る。
米ゴルフウィークによると、この動きについてPGAツアーの政策理事を務めるピーター・マルナティ(米)は「非常に懸念している」とコメント。トップ選手のプレーオフ欠場がツアーやスポンサーに対して影響を及ぼす可能性があるといい、「対応策は検討中」として詳細は語らなかったが、何らかのルール変更を示唆した。
マキロイが欠場を決めた背景には、ポイントランクでスコッティ・シェフラー(米)に次ぐ2位につけていることがある。初戦をスキップしても第2戦(上位50人)には出場でき、仮に2戦連続欠場でも高確率で最終戦(上位30人)に進めるので、3度目の年間王者になるための体力温存とも考えられる。
ツアー政策理事のウェブ・シンプソン(米)は、マキロイの判断に理解を示す。「選手に出場を強制するのは難しい。ゴルフは自らの日程を選べるスポーツ」と語り、自身も2020年に同様の判断を下したことがあると明かした。
過去にも、タイガー・ウッズ(米)が2007年に始まったプレーオフの初戦を疲労を理由に欠場したり、2010年にはジム・フューリック(米)がプロアマに遅刻し、規定により初戦の欠場を余儀なくされたが、それでも年間王者になった例がある。こうした前例が、今回のマキロイの選択にも一定の理解を与えている。
一方、フェデックスの年間1億ドル超の巨額支援を受けているPGAツアーとしては、看板選手の欠場がスポンサーへの礼を欠く行為と見なされかねず、プレーオフの価値そのものを損なうとの批判もある。
マキロイは昨年の時点で「TPCサウスウィンドのコースは好きではない」と明言し、初戦の欠場を示唆していた(上位125人だった2022年は予選落ち、2023年は3位タイ、2024年は68位タイ)。それでも実際に行動に移したことに対しては、ツアーの競技価値を軽視しているとの声も出ているようだ。
元政策理事のジョーダン・スピース(米)も「1試合を欠場する選手はいても、2試合連続で休むことは防ぎたい」と話し、制度の見直しが必要であるとの認識を示した。
今回の事態は、新たにツアーのCEOを就任したブライアン・ロラップ氏にとっても最初の大きな試練となる。NFL出身のロラップ氏は「真のプレーオフにはリスクと報酬が必要」との信念を持っており、今後は制度の抜け穴を塞ぐための改革に踏み切ると見られている。
マキロイは米ツアーだけでなく、キャリアがスタートした欧州ツアーでもプレーしているため、日程やコンディションの調整は難しいと思うが、もしも今後、プレーオフへの出場義務を明文化するルールが導入されれば、「マキロイルール」と呼ばれるかもしれない。
(写真:Getty Images)
今季のマスターズを制して生涯グランドスラムを達成し、世界ランク2位のマキロイは、出場資格のある70人のうち唯一の欠場者。大会はツアー最大のスポンサーであるフェデックスが冠を務め、賞金総額は2,000万ドル(約31億円)に上る。
米ゴルフウィークによると、この動きについてPGAツアーの政策理事を務めるピーター・マルナティ(米)は「非常に懸念している」とコメント。トップ選手のプレーオフ欠場がツアーやスポンサーに対して影響を及ぼす可能性があるといい、「対応策は検討中」として詳細は語らなかったが、何らかのルール変更を示唆した。
マキロイが欠場を決めた背景には、ポイントランクでスコッティ・シェフラー(米)に次ぐ2位につけていることがある。初戦をスキップしても第2戦(上位50人)には出場でき、仮に2戦連続欠場でも高確率で最終戦(上位30人)に進めるので、3度目の年間王者になるための体力温存とも考えられる。
ツアー政策理事のウェブ・シンプソン(米)は、マキロイの判断に理解を示す。「選手に出場を強制するのは難しい。ゴルフは自らの日程を選べるスポーツ」と語り、自身も2020年に同様の判断を下したことがあると明かした。
過去にも、タイガー・ウッズ(米)が2007年に始まったプレーオフの初戦を疲労を理由に欠場したり、2010年にはジム・フューリック(米)がプロアマに遅刻し、規定により初戦の欠場を余儀なくされたが、それでも年間王者になった例がある。こうした前例が、今回のマキロイの選択にも一定の理解を与えている。
一方、フェデックスの年間1億ドル超の巨額支援を受けているPGAツアーとしては、看板選手の欠場がスポンサーへの礼を欠く行為と見なされかねず、プレーオフの価値そのものを損なうとの批判もある。
マキロイは昨年の時点で「TPCサウスウィンドのコースは好きではない」と明言し、初戦の欠場を示唆していた(上位125人だった2022年は予選落ち、2023年は3位タイ、2024年は68位タイ)。それでも実際に行動に移したことに対しては、ツアーの競技価値を軽視しているとの声も出ているようだ。
元政策理事のジョーダン・スピース(米)も「1試合を欠場する選手はいても、2試合連続で休むことは防ぎたい」と話し、制度の見直しが必要であるとの認識を示した。
今回の事態は、新たにツアーのCEOを就任したブライアン・ロラップ氏にとっても最初の大きな試練となる。NFL出身のロラップ氏は「真のプレーオフにはリスクと報酬が必要」との信念を持っており、今後は制度の抜け穴を塞ぐための改革に踏み切ると見られている。
マキロイは米ツアーだけでなく、キャリアがスタートした欧州ツアーでもプレーしているため、日程やコンディションの調整は難しいと思うが、もしも今後、プレーオフへの出場義務を明文化するルールが導入されれば、「マキロイルール」と呼ばれるかもしれない。
(写真:Getty Images)
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