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PGAツアーはいよいよ佳境に!プレーオフ進出がかかるウィンダムチャンピオンシップへ
2023年8月3日(木)午前10:23
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米ミネソタ州のTPCツインシティーズで開催された3Mオープン(7月27日~7月30日)は、PGAツアー昇格2年目のリー・ホッジス(アメリカ)が、2位に7打差の24アンダーでツアー初優勝を飾りました。激戦の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めたプロゴルファーの田島創志さんに振り返ってもらいました。
まずは頂点に立ったリー・ホッジスについて。ショットが上手いし、飛距離も出るし、パッティングのリズムもいいと、あらゆる点で素晴らしいプレーヤーでした。アラバマ大出身ということで、その姿にジャスティン・トーマスを重ねてしまいましたが、これまでのキャリアを見ても着実に上昇しているようなので、今後も大いに楽しみです。
聞くところによると、本当は野球をやりたかったようですが、体がそれほど大きくなかったのでゴルフを選択したとか。また、現在の趣味はハンティング。惜しくもホッジスに敗れたJ.T.ポストン(2位タイ)もハンティングが趣味だそうで、“獲物を狙う”というのがゴルフに通じるのかなと勝手に思ったりもしました。
勝負のポイントになったのは、ホッジスが3打リードで迎えた18番パー5のマネージメント。18番は右を向いてフェードを打たされるようなホールなので、フェードヒッターにとっては厳しいホール。そんな中で、右に張り出した池に入りそうになったり、それを嫌がって左のラフに入れてレイアップをせざるを得なくなったりと、選手にとっては厄介ですが、すごくおもしろいホールだと思って見ていました。
その18番で、ホッジスはティショットを左に曲げたものの2打目をフェアウェイに出して3打目でカップから数十センチのところに3オン。マネージメント通りにプレーをやり切ったホッジスに分があったということでしょう。特に3打目は「こういうショットが打てれば最高」というスーパーショット。ホッジス本人も感動したのではないでしょうか。
そのほかのプレーヤーで気になったのは、アーロン・バデリー(7位タイ)。アマチュア時代に全豪オープンで連覇(99、00年)し、米ツアーでも4勝している選手ですが、11年に最後の優勝を飾ってからは優勝なし。この10年間はいろいろ苦労もしてきたと思いますが、42歳になっても挑み続けている姿は、多くの人の励みになるだろうし、私は彼よりは少し上の世代ですが、頑張ろうという気持ちにさせてくれました。
30位タイに終わった松山英樹選手にも触れおきましょう。初日が64(7アンダー。2位タイ)と良かっただけに期待を膨らましたファンも多かったのではないでしょうか。状態に関しては、本人的には、「ひとつもいいところがなかった」といっていましたが、試行錯誤をしている中で、要所で手応えを感じたショットもあったのではないかと。ただ総括すると、「何もいいことはなかった」ということになってしまうのかもしれません。
こちらからは、全英オープンのときよりもパッティングのフィーリングは良かったように見えました。ただ、そのフィーリングが続いたり続かなかったりというところで、本人のフラストレーションが溜まっていたのも何となく伝わってきました。その原因が何となく分かりつつあるけど、そこまでたどり着かないというところなのでしょう。
シーズン終盤にポイントランキングで30位に入っていないというのは、松山選手にとってこれまでにない厳しい状況ですが、これは誰もが乗り越えなければいけない壁です。とはいえ、周りがヤキモキするほど本人はそんなに気にしていないような気がします。フェデックスセントジュードチャンピオンシップまでいけば、いつものように上にいくようなイメージを持っているのかなという感じがしました。
全英からツアーチャンピオンシップまで、6週連続の出場になるわけですが、試合の中でしかつかめないことがあると思うので、何らかのきっかけがウィンダムチャンピオンシップの中でひとつでもつかめればいい方向に行くんじゃないかなと思っています。
最後にウィンダムチャンピオンシップについて。最終戦ということもあって、熾烈なポイント争いが繰り広げられるのは間違いなく、そこが一番の見所になるでしょう。線を引かれるというのは、選手にとっては酷なことですが、見ているほうとしては非常に分かりやすくて、ハラハラドキドキします。皆さんもそれを楽しんでいただきたい。特に今年は、ジャスティン・トーマスやアダム・スコットらが70位圏外にいます。年齢を重ねてきて体の変化もあると思いますが、そういう部分も視聴者のみなさんと共有していければと思っています。
最終戦、松山選手の活躍も含め、大いに楽しみましょう。
ハンティングを趣味とする2人の優勝争い
まずは頂点に立ったリー・ホッジスについて。ショットが上手いし、飛距離も出るし、パッティングのリズムもいいと、あらゆる点で素晴らしいプレーヤーでした。アラバマ大出身ということで、その姿にジャスティン・トーマスを重ねてしまいましたが、これまでのキャリアを見ても着実に上昇しているようなので、今後も大いに楽しみです。
聞くところによると、本当は野球をやりたかったようですが、体がそれほど大きくなかったのでゴルフを選択したとか。また、現在の趣味はハンティング。惜しくもホッジスに敗れたJ.T.ポストン(2位タイ)もハンティングが趣味だそうで、“獲物を狙う”というのがゴルフに通じるのかなと勝手に思ったりもしました。
勝負のポイントになったのは、ホッジスが3打リードで迎えた18番パー5のマネージメント。18番は右を向いてフェードを打たされるようなホールなので、フェードヒッターにとっては厳しいホール。そんな中で、右に張り出した池に入りそうになったり、それを嫌がって左のラフに入れてレイアップをせざるを得なくなったりと、選手にとっては厄介ですが、すごくおもしろいホールだと思って見ていました。
その18番で、ホッジスはティショットを左に曲げたものの2打目をフェアウェイに出して3打目でカップから数十センチのところに3オン。マネージメント通りにプレーをやり切ったホッジスに分があったということでしょう。特に3打目は「こういうショットが打てれば最高」というスーパーショット。ホッジス本人も感動したのではないでしょうか。
そのほかのプレーヤーで気になったのは、アーロン・バデリー(7位タイ)。アマチュア時代に全豪オープンで連覇(99、00年)し、米ツアーでも4勝している選手ですが、11年に最後の優勝を飾ってからは優勝なし。この10年間はいろいろ苦労もしてきたと思いますが、42歳になっても挑み続けている姿は、多くの人の励みになるだろうし、私は彼よりは少し上の世代ですが、頑張ろうという気持ちにさせてくれました。
プレーオフシリーズ進出がかかるウィンダムチャンピオンシップ
30位タイに終わった松山英樹選手にも触れおきましょう。初日が64(7アンダー。2位タイ)と良かっただけに期待を膨らましたファンも多かったのではないでしょうか。状態に関しては、本人的には、「ひとつもいいところがなかった」といっていましたが、試行錯誤をしている中で、要所で手応えを感じたショットもあったのではないかと。ただ総括すると、「何もいいことはなかった」ということになってしまうのかもしれません。
こちらからは、全英オープンのときよりもパッティングのフィーリングは良かったように見えました。ただ、そのフィーリングが続いたり続かなかったりというところで、本人のフラストレーションが溜まっていたのも何となく伝わってきました。その原因が何となく分かりつつあるけど、そこまでたどり着かないというところなのでしょう。
シーズン終盤にポイントランキングで30位に入っていないというのは、松山選手にとってこれまでにない厳しい状況ですが、これは誰もが乗り越えなければいけない壁です。とはいえ、周りがヤキモキするほど本人はそんなに気にしていないような気がします。フェデックスセントジュードチャンピオンシップまでいけば、いつものように上にいくようなイメージを持っているのかなという感じがしました。
全英からツアーチャンピオンシップまで、6週連続の出場になるわけですが、試合の中でしかつかめないことがあると思うので、何らかのきっかけがウィンダムチャンピオンシップの中でひとつでもつかめればいい方向に行くんじゃないかなと思っています。
最後にウィンダムチャンピオンシップについて。最終戦ということもあって、熾烈なポイント争いが繰り広げられるのは間違いなく、そこが一番の見所になるでしょう。線を引かれるというのは、選手にとっては酷なことですが、見ているほうとしては非常に分かりやすくて、ハラハラドキドキします。皆さんもそれを楽しんでいただきたい。特に今年は、ジャスティン・トーマスやアダム・スコットらが70位圏外にいます。年齢を重ねてきて体の変化もあると思いますが、そういう部分も視聴者のみなさんと共有していければと思っています。
最終戦、松山選手の活躍も含め、大いに楽しみましょう。
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2022-23 ウィンダムチャンピオンシップ
8月3日(木)~8月6日(日)