小さなガラス細工の町コーニング（ニューヨーク州）の風物詩となっていた米女子ツアーの老舗大会が、現地時間21日から最後の大会を行う。

　第31回を迎える同ツアーのLPGAコーニング・クラシック（コーニングCC）。その消滅を惜しむかのようにロレックスランク（女子世界ランク）トップ20人の内の17人、賞金ランクトップ30人中28人が出場する。女王のロレーナ・オチョア（メキシコ）こそプレーしないが、好調が続くスーザン・ピーターセン（ノルウェー）、ポーラ・クリーマー（米）、クリスティー・カー（米）が参戦。ヤニ・ツェン（台）、申智愛（韓）ら旬の選手達も集結して最後にふさわしい盛り上がりを見せている。

　1989年に岡本綾子が優勝したことで、日本のゴルフファンにも馴染みある名前となっている今大会。経済の浮き沈みにかかわりなく、ツアーを支えてきた。現コミッショナーが賞金額を釣り上げた際、古い大会が仕方なく冠スポンサーをつけたり、撤退せざるを得なくなった時も、同じコース、同じタイトルで大会を続行。地元を中心にしたスポンサーをコツコツと集め、何とか開催にこぎつけてきた。

　だが、リーマンショック以来、米国を襲った未曾有の不景気ばかりはどうにもならなかった。スポンサーが思うように集まらず、大会側も断腸の思いで次回以降の開催を断念。ベテラン勢にとっては思い出のたくさんつまったトーナメントだが、来季以降スケジュールに掲載されることはない。

　その最後のチャンピオンとなって大会に感謝の気持ちを示そうと、選手達はいつにも増してやる気満々だ。現在好調な面々以外にも、朴セリ（韓）やミッシェル・ウィー（米）に加え、宮里藍、上田桃子、大山志保、宮里美香の日本勢も勢揃い。歴史ある大会にしっかりとその名を刻むべく、スタートを待っている。