全英リコー女子オープン女王の申智愛（韓）が鮮やかな逆転優勝を飾った。

　米女子ツアー今季第3戦、HSBC女子チャンピオンズ（シンガポール、タナ・メラCCガーデンC）は現地時間8日、最終ラウンドの競技を行った。首位のキャサリン・ハル（豪）に6打差の6位タイでスタートした申は、1番と2番で連続バーディ。3番パー3では2打目をチップインさせると、4番では約4.5メートルのバーディパットを沈め、4連続バーディと最高のスタートを切り、上位にプレッシャーをかけた。

　一方のハルは前半2つのバーディで通算13アンダーまでスコアを伸ばしたが、10番をボギーとすると、13番ではダブルボギー。通算10アンダーにスコアを落とし、とうとう申に並ばれた。14番でもボギーを叩き首位を滑り落ちたハルに対し、申は15番でトドメのバーディを奪取。6アンダー66の通算11アンダーでフィニッシュし、2位のハルに2打差をつけ、“ファイナルラウンド・クイーン”のニックネーム通りの逆転劇で今季初勝利を挙げた。

「すごくびっくりしていて、とてもうれしい。トップ10入りのチャンスはあると思ったけど、勝てるとは考えていなかった」とトレードマークの笑顔をさらに輝かせた申。逆転負けを食らったハルは「13番で間違った判断をしてゲームプランを壊してしまった。その報いを受けるのは仕方ない。つらい方法で勉強した。強くなるためにたくさん練習する」と語った。

　他には、予選ラウンドでトーナメントを引っ張ったポーラ・クリーマー（米）は通算8アンダーでホールアウト。アンジェラ・スタンフォード（米）、アンジェラ・パーク（ブラジル）と並ぶ3位タイで大会を終えた。ロレックスランク（女子世界ランク）No.1で、前週のホンダLPGAタイランドを制したロレーナ・オチョア（メキシコ）は通算7アンダー6位タイ。この日申と同じ6アンダー66でプレーした殿堂入り選手のカリー・ウェブ（豪）が、通算6アンダー9位タイに入った。

　日本勢は最終日を1アンダー71でラウンドし、通算2アンダーの上田桃子が18位タイで最上位。第1ラウンド4位タイで発進し、3日目で11位タイと踏ん張っていた宮里藍は5オーバー77と崩れ、通算1オーバー26位タイだった。大山志保はこの日も5オーバー77と巻き返せず、通算14オーバー70位タイ。