完全復活、そして悲願の米ツアー初優勝に向け、宮里藍が好スタートを切った。

　米女子ツアーの今季第3戦、HSBC女子チャンピオンズはシンガポールのタナ・メラCCガーデンCを舞台に現地時間5日開幕した。30万ドル（約3,000万円）のビッグな優勝賞金がかかる大会で、宮里は第1ラウンド5バーディ、1ボギーの快調なプレーで4アンダー68をマーク。首位に並んだポーラ・クリーマー（米）、アンジェラ・パーク（ブラジル）、ジェーン・パーク（米）に1打差の4位タイと絶好のポジションを確保した。

　昨年後続に11ストロークの大差をつけ優勝を飾り、前週もタイで今季初Vを達成している女王ロレーナ・オチョア（メキシコ）は3アンダー69、6位タイからのスタートとなっている。

　この日の宮里は、「（前週）右に押し出す傾向があった」パットの修正に成功。好調なショットにパットが噛み合い、ほぼ完璧な内容のゴルフを披露した。唯一ティーショットをバンカーに入れるミスを犯した6番でパーをセーブして波に乗ると、後半は長短あらゆる距離からパットを沈めリーダーボードを駆け上がった。

　昨季大会も第1ラウンドでトップに1打差の好発進を切ったが、終わってみれば18位タイ。第2ラウンドは、そのとき同組で回ったオチョアの群を抜いた強さに唇を噛み締めたが、今回はその二の舞はご免だ。「（好スコアにも）驚いていない。こういうプレーをするために練習を積み重ねて来たのだから」と手応え十分。「凄く難しいコースだけれど、集中していいプレーがしたい」とツアー4年目の宮里は上位進出に意欲を見せた。

　その他の日本勢は、開幕戦のハワイ以来の登場となる上田桃子が1アンダー71で回り16位タイ。大山志保がイーブンパー72、25位タイにつけている。前週トップ10入りの健闘を見せたルーキーの宮里美香は出場していない。