女子ゴルフ界に一時代を築いたアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）の最後の戦いが間もなく幕を開ける。

　現地時間20日からフロリダ州ウェストパームビーチのトランプ・インターナショナルGCで始まる米女子ツアー最終戦のADT選手権は、今季限りで引退を決めたアニカの最後の試合。32人の精鋭だけが集う舞台は、女王の最後にとってふさわしいと言えそうだ。

　15年間のツアー生活はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。95年全米女子オープンの初優勝以来、メジャー10勝、通算72勝。細かった少女はたくましいアスリートになり、世界中に女子ゴルフの知名度を上げた功績は計り知れない。

　さらに、今季始めに引退を宣言してからも、その力は衰えることなく、最後の最後になって、最新のロレックスランク（女子世界ランク）でも3位から2位に浮上。元女王の意地を見せている。後継者でもある現女王、ロレーナ・オチョア（メキシコ）はまだ27歳と若いため、直接対決の機会は少なかったが、ここ2年ほどは激しい戦いを繰り広げている。

　オチョアならずともアニカがいなくなった後のツアーを背負う後輩たちは、その最後の戦いぶりから何を学ぶのか。ツアー仲間はもちろんのこと、関係者、ファンが声をそろえて名残を惜しむその勇姿が見られる最後のチャンス。すべてのショット、笑顔に世界中の注目が集まるに違いない。

　もちろんオチョアも、後継者として恥ずかしいプレーをするわけにはいかない。きっちりと恩返しの優勝を狙っており、有終の美を飾りたいアニカと激突するはずだ。

　尚、日本勢は出場しない。