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「元さや」であの時を思い出す!?セルヒオ・ガルシアとジャスティン・ローズ
2021年6月23日(水)午後1:35
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当たり前の話ですが、常に結果を残していきたいプロゴルファーにとって、クラブチョイスは重要なポイント。今季のメジャーシーズン中に使用クラブが変わったワールドランカー2人のお話です。ゴルフギアライター・コヤマカズヒロ氏のコラムです。
2021年5月、人気者、セルヒオ・ガルシアがテーラーメイドとの再契約を発表しました。2017年のマスターズ王者であるガルシアは、その年の末に15年続いたテーラーメイドのクラブ契約を終了していました。
2018年からはキャロウェイの契約プレーヤーとして2年間活躍した後、最近はクラブ契約フリーでプレーしていました。その時期は、ピンの『ブループリント』アイアンを使用するなど、ピンの比率が高めのセッティングでした。
ガルシアは契約メーカーに非常にコミットする選手で、テーラーメイド時代も14本全て同社のクラブを使い、毎年発売される新モデルをバッグに入れていました。それで勝ってくれるので、メーカーとしては非常にありがたい存在です。キャロウェイとの契約時代は、やはり14本全てをキャロウェイのクラブにしていました。
直近ではボールがテーラーメイドの『TP5x』になり、ドライバーも同社のものをチョイスするようになっていました。これによって、キャリーで310yを超えるほどの大幅な飛距離アップに成功したといいます。そんなこともあってか、晴れてテーラーメイドと再契約する運びとなったわけです。
面白いのはアイアンの選択で、2017年に発売された『P750ツアープロト』というモデルを選んでいます。これはまさにガルシアがマスターズを制したときに使用していたもの。孝行息子のガルシアだけに、近い将来、テーラーメイドの最新アイアンを手にしているでしょうが、自身のキャリアの最高潮のときに使っていたクラブに戻したということも言えるわけで、ガルシアのテーラーメイドへの想いが、なんとなく伺えます。
再契約とまではいきませんが、もうひとり最近になってテーラーメイドのクラブを使用しているのが、2017年のマスターズでガルシアと最後まで優勝を争ったジャスティン・ローズです。ローズもまたテーラーメイドの看板契約選手の一人でしたが、2019年の1月に、日本の本間ゴルフとの電撃的な使用契約を結びました。
本間ゴルフでは、彼のパーソナルモデルである『TW-MB ROSE PROTO』アイアンをリリースするなど、関係は良好に見えましたが、2020年5月に契約を解消しました。その理由はわかりませんが、双方とも志半ばという印象でもあり、残念な出来事でした。
そんなローズは、PGAツアー「チューリッヒクラシックオブニューオーリンズ」で2017年モデルであるテーラーメイド『M1 440』ドライバーをバッグに入れていました。こちらもまたあの2017年のマスターズを戦ったときのドライバーなのです。
もちろん、ガルシアとローズが示し合わせたわけではないでしょうが、最高の舞台でプレーオフを戦った二人が、ほぼ同時期にその時のクラブに戻しているというのは、とても面白い現象です。「夢よもう一度」みたいな気持ちが彼らにあるはずはありませんが、自分の良いときの状態を思い出す意味でも、そのクラブを選んだということは充分考えられるでしょう。
文・コヤマカズヒロ(ゴルフギアライター)
ほぼ同時期にクラブを変えたガルシアとローズ
2021年5月、人気者、セルヒオ・ガルシアがテーラーメイドとの再契約を発表しました。2017年のマスターズ王者であるガルシアは、その年の末に15年続いたテーラーメイドのクラブ契約を終了していました。
2018年からはキャロウェイの契約プレーヤーとして2年間活躍した後、最近はクラブ契約フリーでプレーしていました。その時期は、ピンの『ブループリント』アイアンを使用するなど、ピンの比率が高めのセッティングでした。
ガルシアは契約メーカーに非常にコミットする選手で、テーラーメイド時代も14本全て同社のクラブを使い、毎年発売される新モデルをバッグに入れていました。それで勝ってくれるので、メーカーとしては非常にありがたい存在です。キャロウェイとの契約時代は、やはり14本全てをキャロウェイのクラブにしていました。
直近ではボールがテーラーメイドの『TP5x』になり、ドライバーも同社のものをチョイスするようになっていました。これによって、キャリーで310yを超えるほどの大幅な飛距離アップに成功したといいます。そんなこともあってか、晴れてテーラーメイドと再契約する運びとなったわけです。
面白いのはアイアンの選択で、2017年に発売された『P750ツアープロト』というモデルを選んでいます。これはまさにガルシアがマスターズを制したときに使用していたもの。孝行息子のガルシアだけに、近い将来、テーラーメイドの最新アイアンを手にしているでしょうが、自身のキャリアの最高潮のときに使っていたクラブに戻したということも言えるわけで、ガルシアのテーラーメイドへの想いが、なんとなく伺えます。
再契約とまではいきませんが、もうひとり最近になってテーラーメイドのクラブを使用しているのが、2017年のマスターズでガルシアと最後まで優勝を争ったジャスティン・ローズです。ローズもまたテーラーメイドの看板契約選手の一人でしたが、2019年の1月に、日本の本間ゴルフとの電撃的な使用契約を結びました。
本間ゴルフでは、彼のパーソナルモデルである『TW-MB ROSE PROTO』アイアンをリリースするなど、関係は良好に見えましたが、2020年5月に契約を解消しました。その理由はわかりませんが、双方とも志半ばという印象でもあり、残念な出来事でした。
そんなローズは、PGAツアー「チューリッヒクラシックオブニューオーリンズ」で2017年モデルであるテーラーメイド『M1 440』ドライバーをバッグに入れていました。こちらもまたあの2017年のマスターズを戦ったときのドライバーなのです。
もちろん、ガルシアとローズが示し合わせたわけではないでしょうが、最高の舞台でプレーオフを戦った二人が、ほぼ同時期にその時のクラブに戻しているというのは、とても面白い現象です。「夢よもう一度」みたいな気持ちが彼らにあるはずはありませんが、自分の良いときの状態を思い出す意味でも、そのクラブを選んだということは充分考えられるでしょう。
文・コヤマカズヒロ(ゴルフギアライター)