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ギアセッティングがコロコロ変わる?規格外の飛ばし屋ブライソン・デシャンボーの常識にとらわれない姿勢
2021年4月9日(金)午後0:20
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今や「世界一の飛ばし屋」とも称されるようになったブライソン・デシャンボー(米)。8日開幕のマスターズでも最注目選手のひとりですが、その飛距離を支えているのは、劇的な肉体改造とともに、元々あったギアへのこだわりを突き詰めた「ゴルフ科学者」らしい姿勢にあるようです。ゴルフギアライター・コヤマカズヒロ氏による解説です。
このスーパーショットを放ったドライバーは、2015年に発売されたコブラ『KING LTD PRO』というモデルです。最新クラブも試合に投入しているデシャンボーですが、折々でこのクラブに戻っています。2017年、ジョンディアクラシックで初優勝したときも使用していたドライバーですが、遥かにパワーアップした現在のデシャンボーは、ロフト角を減らすなど、今の自分にあった調整を行って使用しているようです。よほどお気に入りのヘッドであることが、伺えます。
有名なワンレングスアイアンや超ハンドアップにした特徴的なスイングなど、デシャンボーはひとつのことをずっと続ける選手という印象を持つ人もいるかも知れません。しかし、ことクラブに関しては、シーズン中でも頻繁にあれこれと替えているのが、デシャンボーの特徴です。
彼の代名詞であるワンレングスアイアンでさえ、全てのアイアンとウェッジを37.5インチにするという基本は替えていないようですが、シャフトを何度も変更しています。傾向としては、少しずつハードになっているようで、現在は非常に硬いアイアン用カーボンシャフトを使用しています。
特徴的な極太のグリップは一見変わっていないように見えますが、実は重量がかなり軽くなっています。以前は125gのグリップを使っていたのが、一昨年からは極太ながら50g強の重量しかないモデルを愛用しています。グリップという繊細なパーツで、ツアープロがこれだけのビッグチェンジをするのは異例中の異例ですが、それをこだわりなくやってしまうのがデシャンボーらしいところです。
プロは基本的に自分の手に馴染んだ道具を好みます。それを巧みに操って、ボールをコントロールするからです。シーズン中はあまりクラブを替えない選手が多いですし、バッグの中に何年も愛用しているクラブが入っていることも少なくありません。ところが、デシャンボーにはそんな常識も通用しないようです。
道具の変遷を見てみても、彼がいかに常識にとらわれず、自分に合うものを常に模索しているかがわかります。我々はそのパワーに目を奪われがちですが、デシャンボーの強さはやはりその“科学者”ぶりにありそうです。
(写真:Getty Images)
グリップ重量が大幅減?!とにかくクラブを変えるデシャンボー
アーノルド・パーマーインビテーショナル presented by マスターカードでは、左に大きくドッグレッグする6番パー5で、ブライソン・デシャンボーが池越えのショートカットに成功し、大きな話題になりました。ボールは370y先のグリーン手前の右ラフまで届き、世界中の度肝を抜きました。単に飛ばすだけでなく、試合のプレッシャーのなか、タイトなロケーションで成功させたところに価値があります。まさに歴史を変えたスーパーショットでした。このスーパーショットを放ったドライバーは、2015年に発売されたコブラ『KING LTD PRO』というモデルです。最新クラブも試合に投入しているデシャンボーですが、折々でこのクラブに戻っています。2017年、ジョンディアクラシックで初優勝したときも使用していたドライバーですが、遥かにパワーアップした現在のデシャンボーは、ロフト角を減らすなど、今の自分にあった調整を行って使用しているようです。よほどお気に入りのヘッドであることが、伺えます。
有名なワンレングスアイアンや超ハンドアップにした特徴的なスイングなど、デシャンボーはひとつのことをずっと続ける選手という印象を持つ人もいるかも知れません。しかし、ことクラブに関しては、シーズン中でも頻繁にあれこれと替えているのが、デシャンボーの特徴です。
彼の代名詞であるワンレングスアイアンでさえ、全てのアイアンとウェッジを37.5インチにするという基本は替えていないようですが、シャフトを何度も変更しています。傾向としては、少しずつハードになっているようで、現在は非常に硬いアイアン用カーボンシャフトを使用しています。
特徴的な極太のグリップは一見変わっていないように見えますが、実は重量がかなり軽くなっています。以前は125gのグリップを使っていたのが、一昨年からは極太ながら50g強の重量しかないモデルを愛用しています。グリップという繊細なパーツで、ツアープロがこれだけのビッグチェンジをするのは異例中の異例ですが、それをこだわりなくやってしまうのがデシャンボーらしいところです。
プロは基本的に自分の手に馴染んだ道具を好みます。それを巧みに操って、ボールをコントロールするからです。シーズン中はあまりクラブを替えない選手が多いですし、バッグの中に何年も愛用しているクラブが入っていることも少なくありません。ところが、デシャンボーにはそんな常識も通用しないようです。
道具の変遷を見てみても、彼がいかに常識にとらわれず、自分に合うものを常に模索しているかがわかります。我々はそのパワーに目を奪われがちですが、デシャンボーの強さはやはりその“科学者”ぶりにありそうです。
(写真:Getty Images)
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