ロレックスランキング（女子世界ランキング）1位のヤニ・ツェン（台）と大会3連覇を狙うナ・エン・チョイ（韓）を向こうに回し、地元韓国女子ツアーで目下賞金ランク2位につける20歳の新鋭が単独トップに躍り出た。

　米女子ツアーアジアシリーズ初戦、LPGAハナバンク選手権は韓国・仁川のスカイ72GCオーシャンCを舞台に現地時間8日、第2ラウンドの競技を行い、初日ツェンがマークしたコースレコードに並ぶ7アンダー65を叩き出したヤン・ソージン（韓）が通算10アンダーで単独首位に浮上した。KLPGAツアー（韓国ツアー）で通算3勝を誇るヤンをツェンとチョイが1打差で追いかける展開。3打差の4位タイにはジミン・カン（韓）とシェラ・チョイ（韓）がつけ、地元勢が上位を席巻している。

　ビッグネームから主役の座を奪ったヤンは「初日からショットの調子が良かったのですが、今日はパットも入ってくれました。2年前ルーキーの年にオーストラリアでヤニ・ツェンと最終組を一緒に回ったことがありますが、そのときは凄く緊張して自分のゴルフが出来ませんでした。でもそれから経験を積んで今はトッププレーヤーとどうラウンドすれば良いかがわかっています。自信もあるし、自分のゴルフに集中すればチャンスはあると思います」と強気の発言。もし勝てば今夏の全米女子オープンを制したリュウ・ソヨンに続き、韓国ツアーのメンバーによる今季2人目の米ツアー制覇となるが、血気盛んなヤンの前にはまさに世界のトップが立ちはだかる。

　この日6バーディを奪いながら4つボギーを叩いて2アンダー70と思うようにスコアを伸ばせなかったツェンは「ミスが多過ぎました。明日は目の前の1打に集中して持ち前のアグレッシブなゴルフがしたいです」と挽回を誓い、2日間ノーボギーの安定したゴルフを続けているチョイは「韓国人として韓国の試合で優勝争いが出来ていることを誇りに思います。相性の良いコースなのでリラックスして楽しみたい」と余裕の笑み。果たして最終日最終組三つ巴の戦いの行方やいかに…？

　日本勢唯一出場の上田桃子はこの日4バーディ、1ボギーの3アンダー69をマークし、通算2アンダーで初日の45位タイから31位タイに順位を上げた。上田が米ツアーで60台を記録したのは、今季メジャー最終戦の全英リコー女子オープンの初日以来およそ2か月ぶり。この勢いを最終日も途切れさせたくない。