韓国勢の活躍の場は女子ツアーだけではない。米男子ツアーでも韓国勢が台風の目になっている。

　現地時間17日に行われた米男子ツアーの今季メジャー第2戦、全米オープン第2ラウンド（メリーランド州、コングレッショナルCC）は雷雨による中断で進行が遅れ、競技の続きは3日目の午前中にもつれ込んだが、暫定トップのローリー・マキロイ（北アイルランド）とともに優勝戦線を引っ張っているのが全米プロゴルフ選手権チャンピオンのY・E・ヤン（韓）だ。

　石川遼と予選ラウンドの2日間を一緒に回ったヤンは、終始落ち着いたプレーで4バーディ、2ボギーの2アンダー69をマーク。通算5アンダーとし、先頭を走るマキロイに6打差ながら暫定単独2位の好位置を確保した。

　タイガー・ウッズ（米）全盛時代、首位からスタートしたら負けたことがない“タイガー不敗神話”をただひとり打ち破り、逆転で2009年の全米プロを制したのがここに登場するヤン。会見でそのことを指摘されると「良いことを思い出させてもらいました。あの経験は活きてくるでしょうね。明日はあのときのことを思い出してプレーしたい」と口ぶりも滑らか。しかし、トップのマキロイとは1日で縮めるには大きすぎる6ストロークの壁がある。

「でもまぁ、2打差や3打差なら追いつきたいと思って焦るだろうけれど、これだけ差があるとかえって気が楽。自分のゴルフが出来ます」と何とも地に足をつけた発言に終始したヤンだった。

　今大会では母国の後輩も頑張っている。昨季の日本ツアー賞金王である金庚泰（韓）はこの日スコアを1つ落としたものの、通算1アンダー暫定8位タイとトップ10圏内。20歳になったばかりのノ・スンヨル（韓）も通算イーブンパー暫定15位タイと健闘中で、予選をクリアしそうな韓国勢は全部で6人もいる。その中にベテランの崔京周（韓／暫定112位タイ）が入っていないのは寂しいが、韓国の新しい力がメジャーの舞台で躍動している。