中国を舞台にした欧州ツアーで、アメリカ人コンビが大暴れしている。

　アジアンツアーとの共催で行われている同ツアーの08年シーズン開幕戦、HSBCチャンピオンズ（上海、シャーシャン・インターナショナルGC）は現地時間の9日、第2ラウンドの競技を終了。第1ラウンド4位タイの好発進を切ったフィル・ミケルソン（米）が6バーディ、ノーボギーの快調なゴルフで6アンダー66と爆発。通算10アンダーまでスコアを伸ばし、首位のケビン・スタドラー（米）と1打差の単独2位に浮上した。

「午前中は少し風が強かったけれど、午後は治まって、終盤をバーディで締めくくれて良かった。いい感じで週末を迎えられそうだ」と満面の笑みを浮かべた世界ランク2位の天才レフティ。上がり5ホール中、4ホールでバーディを獲れば、気分も良いはず。

　そんなミケルソンの第3ラウンドの相手（同伴プレーヤー）はスタドラーだが、「お父さん（82年のマスターズチャンピオン、クレイグ・スタドラー）とは一緒にプレーしたことがあるし、ケビンのことは彼がまだアマチュアの頃から知っている。来季の（米ツアー）シード権を確定させて、肩の荷を下ろしてここに来ているから乗ってるんじゃないかな。決勝ラウンドでは手強い相手になりそうだ」と27歳の挑戦者に警戒心を抱いている。

　一方、初日からのリードを守ったスタドラーが見せ場を作ったのは、288ヤードと距離の短い16番パー4。そのホール、ティーショットをグリーン近くまで運び、6メートルを沈めてチップインイーグル奪取に成功。他にも3つのバーディ（2ボギー）を奪って3アンダー69にスコアをまとめ、単独首位の座をしっかりとキープした。

「今週は自分自身にあまり期待していなかったけれど、ここまでは上出来だね。緊張？　そんなのしてないさ。楽しんでいるよ」とセイウチのニックネームを持つ父親とそっくりの体型をしたスタドラーは、豪快に笑い飛ばした。

　その他、上位は通算8アンダー3位タイにロス・フィッシャー（英）とサイモン・イエイツ（スコットランド）が続き、通算7アンダー5位タイにビジェイ・シン（フィジー）らがつける展開。

　また先の国内男子ツアーのABCチャンピオンシップで優勝を飾ったフランキー・ミノザ（フィリピン）が通算5アンダー。ディフェンディング・チャンピオンのY・E・ヤン（韓）、第1ラウンドトップタイでこの日スコアを3つ落としたニコラス・ファース（スウェーデン）らと並び7位タイに順位を上げた。

　前週賞金王レースに敗れて2年連続のタイトルを逃したパドレイ・ハリントン（アイルランド）はスコアを伸ばせず、通算4アンダーで初日の4位タイから13位タイへ後退。前日67位タイと出遅れたアーニー・エルス（南ア）は3アンダー69で回り、通算イーブンパー31位タイへジャンプアップした。