来季の出場権を争う最後の戦いの幕開けだ。

　米男子ツアーのフォールシリーズ最終戦、チルドレンズ・ミラクル・ネットワーク・クラシックは現地時間1日、フロリダ州レイク・ブエナビスタのマグノリアGCで開幕。シードを獲得できる賞金ランク125位以内を目指す面々の必死の戦いがクライマックスを迎える。

　背水の陣で今大会に臨むのは、日本勢ではただひとり、丸山大輔だ。ここ数試合での踏ん張りで、同ランク146位まで浮上したものの、ツアー3年目を戦う資格を手にするにはあと一歩及ばない。好調さは維持しているだけに、誰もが目の色を変える最終戦で上位に入らなければ、苦しい日々が待っている。覚悟を決めて、4日間にすべてをかける。

　また、同ランク67位で来季の出場権は安泰の今田竜二もマスターズ初出場と、ツアー初優勝目指して最後の戦いに挑む。なお、前週のギン・シュール・メール・クラシック at テソロで2位タイとなった丸山茂樹は、同ランク137位から103位に躍進。来季出場権を確定させ、今大会の出場を取りやめている。

　一方、ベテラン、新鋭入り乱れてのサバイバルレースに乱入するのが、16歳の飛ばし屋、タッド・フジカワ（米）だ。ハワイ在住の日系人であるフジカワは15歳の時、史上最年少で全米オープン出場。さらに、今年のソニー・オープン・イン・ハワイでは史上2番目の若さで予選を突破し、20位タイになったことで注目を集めた。

　その勢いを駆って、フジカワは7月にプロ転向。16歳という若さもあって、世界中で賛否両論を呼んでいる。これまでは、確かに思うような結果を出せていない。それでも、その飛距離と若さでスポンサーには大人気。メジャー2勝のジョン・デイリー（米）が推薦を頼んで受け入れられなかった試合に出場できた理由の一つがそれだ。

　もう一つ大きな理由がある。フジカワは今大会のスポンサーであるチルドレンズ・ミラクル・ネットワークの病院で誕生。この時、生後3か月まで生きられる可能性は五分五分と言われた未熟児だった。最初の半年に様々な手術を受けて元気に育った少年が、ここまで成長、活躍することは、病気の赤ちゃんやその母に勇気を与えることになるはずだ。