完全復活を期待されるセルヒオ・ガルシア（スペイン）が母国での2週連続優勝に挑む。

　ガルシアは先週の欧州ツアー、カスティーヨ・マスターズで3年ぶりに優勝。後続に11打差をつける圧勝でかつて“神の子”と呼ばれた男の復活ぶりをアピールした。

　今週のアンダルシア・マスターズ（現地時間27?30日）は、やはり母国スペインのクラブ・デ・ゴルフ・バルデラマが舞台とあって、2週連続で故郷を盛り上げる気持ちを持って臨んでいる。

　1988年のボルボマスターズ以来、バルデラマでは20戦もの欧州ツアーの試合が行われてきた。ところが、実力者揃いの地元勢からまだ一人も優勝者が出ていないという信じられない事実がある。

　今年は英雄セベ・バレステロス氏（スペイン）が亡くなったこともあり、スペイン勢は全員、セベに捧げる優勝を誓っている。その最有力候補がガルシアということになる。「このコースで僕は3回、2位になっている。それが刺激になってよりハードに挑戦することができるんだ。ここ2年間は調子が悪かったけれど、最近は本当にポジティブなんだ。全米オープンの前からパッティングがすごくいい。安定している」と自信満々のガルシア。大先輩の魂に復活の雄叫びを届けたい。

　ホセ・マリア・オラサバル、ミゲール・A・ヒメネス、アルバロ・キロス、ゴンサロ・フェルナンデス-カスタノら他のスペイン勢も気持ちは同じ。熱い戦いで地元に勝利をと燃えている。

　また、2008年大会で2位となっているマーティン・カイマー（独）も勝利への気持ちが強いひとりだ。1月以来、勝利から遠ざかっているが、現在の欧州ツアー賞金ランクは4位。米男子ツアー賞金王に輝き、欧州ツアーとのダブルタイトルを狙うルーク・ドナルド（英）との差は189万9,547ユーロ（約2億円）と大きいが、まだまだ逆転のチャンスはある。米ツアーを終えてホッと一息つき、今週は試合に出ていないドナルドに少しでもプレッシャーをかけるために、初日から一気に突き進む。