世界ランクNo.1のルーク・ドナルド（英）が、史上初の欧米両ツアー同時賞金王タイトル獲得に向けて、欧州ツアー、マドリード・マスターズ（現地時間6?9日／スペイン、エル・エンシン・ゴルフホテル）連覇を狙っている。

　昨年、リース・デービス（ウェールズ）を1打差で振り切って2004年オメガ・ヨーロピアン・マスターズ以来の同ツアー3勝目を飾ったドナルドは、これですっかり自信をつけた。今季は、WGC-アクセンチュア・マッチプレー選手権を含む3勝を挙げ、さらにアクセンチュア・マッチプレー選手権以外は、米ツアーでの優勝こそないものの、18戦中13戦でトップ10入りという安定感を誇っている。それゆえに、世界ランク1位の座に上り詰めただけでなく、現在、欧米両ツアーで賞金ランク首位に立っているのだ。

　この躍進のきっかけとなった同大会だけに「戻って来ることができて嬉しい。ディフェンディング・チャンピオンはいいものだからね。昨年のこの大会以来いいことがたくさんあった。僕のキャリアに優勝が本当に必要だったんだ」と、笑顔で口にしたドナルド。欧米両ツアーを股にかけて戦う33歳は「両方やるのは簡単なことじゃない。今年は（米ツアーの）プレーオフと、間もなく生まれる2番目の子供のためにずいぶん違う1年となった。でも、エネルギーを最後までもたせて走り続けるよ」と、自分にムチを入れた。

　欧州ツアーの賞金ランクは2位のローリー・マキロイ（北アイルランド）に、約130万ユーロ（約1億3,000万円）と大量にリードしているドナルドは、「もう2試合はプレーしたいんだけど、それは子供次第かな」と余裕の笑みを見せた。二児の父親となってすぐ、史上初の両ツアー王者となれるのか。ライバルたちの包囲網の中、ダメ押しの意味でもぜひ連覇を果たしたい。

　ホセ・マニュエル・ララ、アルバロ・キロスを始めとする地元スペイン勢やエドアルド・モリナリ（伊）＆フランセスコ・モリナリ（伊）兄弟、マッテオ・マナッセロ（伊）、ジョン・デイリー（米）らがやる気満々のシーズン終盤戦。ドナルドが世界一の強さを見せつけるのか、それとも欧州ツアーの層の厚さが改めて見られるのか。注目の戦いが繰り広げられる。