欧州ツアー最終戦で熾烈な賞金王争いが始まった。

　同ツアーのシーズン最後の試合、ボルボ・マスターズがかつてライダーカップの舞台に選ばれたことのあるスペインの名門、クラブ・デ・ゴルフ・バルデラマを舞台に現地時間の1日開幕。現在賞金ランク2位で2年連続賞金王のタイトルを狙うパドレイ・ハリントン（アイルランド）がイーブンパー71にスコアをまとめ5位タイにつけたのに対し、同ランク3位で初のタイトルを狙うジャスティン・ローズ（英）はハリントンを1打上回る1アンダー70をマークし、3位タイの好発進を見せた。

　現在同ランク1位のアーニー・エルス（南ア）がアジアンツアーに出場し、今大会を欠場しているため、逆転を狙う面々は目の色が変わっている。昨季は最終ラウンド、最終ホールでセルヒオ・ガルシア（スペイン）がパーかボギーかのどちらかによって、ハリントンが初のタイトルを獲得するか、ポール・ケイシー（英）が初の栄冠を手にするか、全くわからないほど僅差だった。その大混戦を制したハリントンがタイトルに輝いたわけだが、今回も同ランク4位のヘンリック・ステンソン（スウェーデン／34位タイ）、同5位のニコラス・ファース（スウェーデン／23位タイ）まで逆転王座の可能性がある。

　この日のハリントンは前半ボギーがかさみ、ローズに5ストロークの大差をつけられ『39』で折り返す大乱調。しかしそこから5つのバーディ（1ボギー）を奪って盛り返し、イーブンパーで第1ラウンドを終え、2年連続賞金王に意欲を見せる。

　ローズは「ラウンド前に戻してしまった」ほど体調が悪く、「骨はきしみ、全身に痛みが走って体調は最悪。まるで（ボクシングの）マイク・タイソンと10ラウンド戦ったみたいにグロッキー状態」だったが、その現状を克服しての3位タイに笑顔がこぼれた。

　トップは3アンダー68のグラエム・マクドウェル（北アイルランド）、1打差の2位にポール・マクギンリー（アイルランド）。1オーバー72、8位タイにルーク・ドナルド（英）とコリン・モンゴメリー（スコットランド）がつけている。