開幕直前!メジャー獲りへ準備万端、どんな風にも対応できるアイアンショットを見せる松山英樹
2017年7月19日(水)午後6:28
海外メジャー第3戦「全英オープンゴルフ選手権」がいよいよ明日7/20(木)に開幕する。第146回目を迎える今年はイングランドの海岸沿いサウスポートにある「ロイヤルバークデールゴルフクラブ」で開催される。
大会初日は20(木)午後2時30分から13時間超え生中継!注目組のスタート時間は全英オープン特設サイトでチェック
2008年の優勝スコアは3オーバーと全英オープン屈指の難コースだ。開幕を前にゴルフネットワークでメイン解説を務める内藤雄士ツアープロコーチが18(火)に現地を視察。松山英樹の最新情報と勝負の行方を占うキーホールについて話を聞いた。
【オンコースリポーターの杉澤伸章と共にコースチェックを行う内藤氏】
2008年大会ではバーディが取れていたやさしいホールで新しくティーインググラウンドを作っていたり、セカンド地点にバンカーを作るなどコースの難易度は2008年より上がっていると思います。
ただ、コースセッティング以上に選手を苦しめるのはリンクス特有の風ですね。ロイヤルバークデールの難しさはとにかく風です。フェアウェイが狭いコースなので風が強くなったら難易度は上がります。ティーショットでフェアウェイに置けないと、グリーンも硬いので本当に難しいと思います。
流れを作るのが難しいロイヤルバークデール、出だしの4ホールが鍵を握る
18ホールの中でも出だしの1番(パー4)が何といっても難しいですね。しかも全英オープンは1WAYスタートなので、みんなあの難しい1番からスタートしなくてはいけないのは厳しいですね。
さらに続く2番(パー4)、3番(パー4)、4番(パー3)も難しい。5番(パー4)は短くてバーディが取れるホールなので、出だしの4ホールでバーディを取らなくてもいいので、我慢してパープレーで切り抜けることができれば良い流れが作れると思います。
息つく間も無く、ハーフターンした後の10番(パー4)と11番(パー4)が難しくて、最初のパー5が15番ですから、つまずくと苦しい時間が続いてなかなか巻き返せない。ロイヤルバークデールはものすごくメリハリがあって、流れを作るのが難しいコースです。
難関のスタートホール1番はグリーンも小さいし、風も強いのでフェアウェイを外すと非常に難しいセカンドショットになります。攻略の鍵はフェアウェイキープですが、1998年のロイヤルバークデールで29位に入った丸山茂樹プロのようにショートゲームでスコアを作っていくことも大事になってきます。
1番ホールでもフェアウェイを外した時にセカンドを手前に刻んで、そこからアプローチで寄せてパーを取っていくゴルフが必要です。
そういう意味では松山選手は今年の全米オープンで厳しい状況から何度もパーセーブしていたので期待は大きいです。
どんな風にも対応できる松山英樹のアイアンショットは世界トップレベル
【アイルランドオープンでも14位と好調をキープしている松山英樹】
松山選手の練習ラウンドを見ましたが、ゴルフの調子はすごく良いです。特にアイアンショットのキレは抜群でしたね。横風でも全く流されないし、アゲインストでも距離を出せるし、フォローも止められる。
あれだけシャロー(緩やか)な入射角でスピン量をコントロールできるのはすごい技術です。一般的には飛ばそうと思って少しハンドファーストにインパクトすると、ロフトが立ってフェース面の上に当たりスピン量が落ちるし、シャローに入れるとフェース面の下に当たってバックスピンがかかってしまう。松山選手はシャローに入れながら押し込む感じでインパクトする手元の低さが素晴らしいです。
全英オープンの展望
日本人としては松山選手がクラレットジャグを手にするのを期待していますし、その可能性も十分あります。
前回ロイヤルバークデールで開催された2008年大会では2日目を終えてK・J・チョイがトップに立ったり、G・ノーマンが当時53歳で優勝争いをするなど熟練の技や忍耐が要求されるコースです。
今週は天気予報も良くないので、風も吹いて雨も降るとかなり厳しいスコアの戦いになるでしょう。我慢比べの中でいかにして少ないチャンスをものにするか、全英オープンらしいい試合展開が楽しみです。
(解説:ツアープロコーチ内藤雄士)
(写真:Getty Images)
全英オープン
<テレビ放送予定> 1日目:7月20日(木)午後2:30~深夜4:00 2日目:7月21日(金)午後2:30~深夜4:00 3日目:7月22日(土)午後5:00~深夜4:00 ※最大延長午前 6:00 4日目:7月23日(日)午後4:00~深夜3:00 ※最大延長午前 7:00 <出演> 解説:佐藤信人(プロゴルファー・JGTO理事)、内藤雄士(ツアープロコーチ) 実況:薬師寺広・土居壮 ゲスト解説:矢野東プロ(2日目)、久保谷健一プロ(3日目)、塚田好宣プロ(4日目)