1WAYスタートの全英オープンは第1組と最終組の差が10時間!塚田プロ「スタート時間と天候の変化に注目」
2017年7月19日(水)午後4:02
松山英樹のメジャー制覇に注目が集まる今年の「全英オープンゴルフ選手権」。ゴルフネットワークでは前代未聞の49時間完全生中継を敢行。
長時間となる中継の解説はプロゴルファーの佐藤信人、ツアープロコーチの内藤雄士、現地ラウンド解説のプロキャディ杉澤伸章の3人に加えて、ゲスト解説として全英の舞台を経験した現役プロゴルファーを起用。大会2日目には矢野東プロ、大会3日目は久保谷健一プロ、最終日は塚田好宣プロがゲスト解説として出演。
大会初日は20(木)午後2時30分から13時間超え生中継!注目組のスタート時間は全英オープン特設サイトでチェック
開幕に先駆けて、前回ロイヤルバークデールGCで開催された2008年の全英オープンに出場した塚田好宣プロが語る今大会の見どころをご紹介。
【塚田プロ「中継の解説は初めて。喋るのは苦手なので緊張しますね」】
過去3度出場した中で最も風が強かったロイヤルバークデール
全英オープンには2004年、2008年、2014年とこれまで3回出場しています。2004年はインターナショナル・ファイナル・クォリファイング(IFQ)が新設された年で、当時はアジアンツアーに参戦していたこともあってIFQアジア予選会に挑戦して、プレーオフを勝ち抜いて本戦への出場権を獲得しました。
2008年には今大会の開催コースである「ロイヤルバークデールGC」でプレーしましたが、風がとにかく強かったです。海からの風が吹くんですが、過去に出場した3回の中でも一番強かったと思います。練習場はアゲインストの風でしたが、7番アイアンで打っても100Yくらいしか飛ばないですから。「えっ・・・」って感じでしたね。
攻略のポイントはグリーンをキャリーで狙うアイアンショットの精度
「ロイヤルバークデールGC」は高台から見るとフラットなのですが、実際にプレーしていると人の背が隠れるくらいのマウンドや丘があるんですよ。ちょっとした打ち上げや打ち下ろしがあって、風によってはティーショットが飛ばないとセカンドがブラインドになったりするので、頭を悩まされました。
フェアウェイがうねっていたり、グリーン手前も使えなかったりするので、通常のリンクスコースのように転がして乗せていく全英ではなく、グリーンをキャリーで狙っていく必要があります。松山選手はアイアンも上手いしチャンスはあると思います。
ロングヒッターはセカンドをショートアイアンで打てるメリットがありますが、風の影響も受けやすくなります。一方で飛距離が出ない選手は大きい番手になる分、風の影響を受けない低いボールでグリーンを狙っていけるので日本勢にもチャンスはあると思います。
人生で最も難しいスタートホール
強烈に難しい印象が残っているのが1番ホールですね。距離はそれほど長くはないパー4なのですが、左ドッグレッグで300Y地点にマウンドがあるんです。
ドライバーでマウンド超えを狙うのが理想ですが、基本風が左から吹いていて風に流されてラフに入ってしまったり、右サイドのOBまでいくリスクも。2008年当時は300Yも距離が出ないので、マウンド手前に刻むとセカンドはブラインドになるし、さらに距離も残るので難しい。
練習ラウンドからこのホールではダブルボギーかトリプルボギーしか出なかったですね。人生で一番難しいスタートホールと言っても過言ではないですね。
今は300Yを超える選手も多いので、ドライバーでマウンド超えを狙ってくる選手が多いと思います。昔と今とではコースの攻め方も変わってくると思うので、2008年との違いを見るのも楽しみです。
一日が長い全英オープンは生活リズムを作るのも大変
全英は1WAYスタートなので、第1組と最終組では10時間も差があります。スタート時間の違いでコースコンディションもがらりと変わってきます。遅いスタート時間だと風は弱まる傾向にありますが、ホールアウトする頃は気温が下がって寒いので一長一短ですね。
予選の一日は16時30分くらいの最終組でスタートしたんですが、ハーフターンして11番に来たのが夜の19時30くらいで、ボランティアスタッフのおじさんに「お前はこの時間にプレーできてラッキーだな。今日フェアウェイキープしたのは3人しかいないぞ」って話しかけられたのを覚えてます。
【現地22時、レストランはほとんど閉まっています・・】
通常の大会と生活リズムが違うので、スタート前やホールアウト後に何をするのかも困りますね。どれだけ早くコースに行くとしても3時間前なので、私のように最終組のスタートだと「13時まで何をするの・・・?」って感じでした。
スタートまでの時間(午前中)は現地の中継を見ていましたが、「うわ〜こんなスコアなの・・大変だな」って思いながらTVを見ていたのを覚えていますよ。で、ホールアウトするのは夜の21時とかだから、終わってからやっている飲食店もないし、借りている家に帰って自炊といった感じでした。
一日に四季があると言われる全英オープンはスタート時間の違いで天候やコースコンディションもがらりと変わってきます。ゴルフネットワークでは第1組がスタートする(日本時間)午後2時30分から中継するようなので、天候の変化にも注目しながら見るのも面白いですね。
(解説:塚田好宣プロ)
(写真:Getty Images)
全英オープン
<テレビ放送予定>
1日目:7月20日(木)午後2:30~深夜4:00
2日目:7月21日(金)午後2:30~深夜4:00
3日目:7月22日(土)午後5:00~深夜4:00 ※最大延長午前 6:00
4日目:7月23日(日)午後4:00~深夜3:00 ※最大延長午前 7:00
<出演>
解説:佐藤信人(プロゴルファー・JGTO理事)、内藤雄士(ツアープロコーチ)
実況:薬師寺広・土居壮
ゲスト解説:矢野東プロ(2日目)、久保谷健一プロ(3日目)、塚田好宣プロ(4日目)