スティーブ・ウェブスター（英）が、亡き母に見守られ、涙の優勝を飾った。

　欧州ツアー、ポルトガル・マスターズの最終ラウンド（現地時間21日、ポルトガル、オセアニコ・ビクトリア・クラブ・デ・ゴルフェ）、ダニエル・バンシック（アルゼンチン）と1打差2位タイでスタートしたウェブスターは、フロントナインでスコアを4つ伸ばすと、12番で2.7メートルのパットをブチ込む鮮やかなイーグル奪取。その後も勢いに乗ってさらにバーディを重ね、8アンダー64の好スコアを叩き出した。これで通算25アンダー。7アンダー65でプレーしたロバート・カールソン（スウェーデン）に2打差をつけて、2005年テレコム・イタリア・オープン以来のツアー2勝目を挙げた。

　優勝が決まった瞬間、キャディと抱き合って歓喜したウェブスターだが、グリーンサイドの父の姿を見ると、もうあふれる涙をぬぐおうともしなかった。5か月前に亡くなった母、バレリーさんへの思いがこらえきれなくなったからだ。

「ラウンド中ずっと、母のことを考えていた。母を亡くしたことで、ボロボロになっていたけれど、今日は母に見守られていた。すごくびっくりするようなフィーリングだった」と、泣き笑いの表情のウェブスター。母に見守られて手にした勝利の感慨に浸っていた。

　一方、バンシックは先週のオープン・デ・マドリードに続き、首位で最終日を迎えながら逆転負けを喫し、がっくりとうなだれた。賞金ランキング3位で1位のアーニー・エルス（南ア）、2位のパドレイ・ハリントン（アイルランド）とのタイトル争いの渦中にいるジャスティン・ローズ（英）は、通算13アンダー21位タイ。残り2試合に逆転初タイトルをかける。