?選手とキャディの会話をキリトル? 松山英樹バーディラッシュの裏にあった「ピンそば1.2mでも納得しない飽くなき向上心」
2017年6月17日(土)午後9:59
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「全米オープンゴルフ選手権」2日目、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンを筆頭にローリー・マキロイ、ジェイソン・デイとビッグネームが揃っって予選落ちとなる中、松山英樹は「65」をマークして初日82位から8位タイまで順位を上げ優勝戦線に躍り出た。
日本中が沸いた松山英樹のバーディラッシュ。現地で松山の18ホールに帯同したオンコースアナライザーの杉澤伸章が見た松山英樹の凄さとは?
朝から吹いていた風がちょうど弱まる中、ティーオフを迎えた松山。1番スタートホールから300Y超えのビッグドライブを見せる。パー5のセカンドをグリーン手前まで運び、無難にバーディ発進。距離の短い2番パー4では迷わずドライバーを振り抜き、グリーン手前から寄せて連続バーディと快進撃を予感させる立ち上がり。
ホールアウト後のインタビューで「ショットは朝の練習場でうまくいかず手探り状態でスタートしたら1番と2番でバーディが取れて良かった。3番のセカンドでミスした時には『今日はダメかな』と思ったらうまくパーセーブできた」とグリーン奥のコレクションエリアから見事なアプローチでタップインパーと流れを切らさない。
現地で見ていた杉澤が「今日は2番のように狙うときは狙うし、ピンポジションが厳しい時にはセーフティにいく。メリハリのあるマネジメントが出来ていた」と話すように、出だしで勢いに乗った松山は前半を6バーディ、ノーボギー「30」でラウンド。瞬く間にリーダーボードを駆け上がった。
後半に入ってもその勢いは止まらず、ショットが切れていた松山は11番パー4でピンそば1.2mのバーディチャンスにつける。ギャラリーが松山のスーパーショットに沸く中、杉澤はセカンドショットを打った後の松山と進藤キャディの会話を耳にして驚愕した。
「左につけるんじゃなくて、右につけないとダメじゃん」
ベタピンにつけながらもとやや不満げな表情を見せながら進藤キャディに言葉をかける松山。この日の11番のピンポジションは右につけると上りのパットで、左は下りのスライスラインでショートパットでも難しい状況だった。松山が約1mにつけても納得しなかったように、結果はカップをかすめてバーディならず。
現状に甘んじることなく飽くなき向上心を持ち続ける松山の片鱗を垣間見た気がした。
その後も「今日は大人のゴルフでじっくりとビッグスコアを作っていた」と杉澤が振り返るように、難しいと言われるINコースに入ってもボギーにすることなくパーセーブを続ける。フェアウェイを外したのはわずかに1ホールでパーオン率も78%と完璧なゴルフを見せた。ピンチらしいピンチは唯一、フェアウェイを外した12番だったが、ショートゲームでカバーして見事パーで切り抜けた。
2日目のバーディラッシュの裏で杉澤が見た1ヤード単位でゴルフを追求する松山。これこそが、世界のトップランカーでいる所以かもしれない。首位と2打差の8位、メジャー制覇がいよいよ現実味を帯びてきた。大会3日目は日本時間17(土)深夜3:34にティーオフする。眠れない夜が続く・・・
全米オープンゴルフ選手権
3日目 6/17(土) 午後11:00~翌午前9:00(LIVE)
最終日 6/18(日) 午後11:00~翌午前9:30(LIVE)
【解説】佐藤信人プロ、ツアープロコーチ内藤雄士
【現地ラウンド解説】プロキャディ杉澤伸章
※2日目~3日目は最大延長午前11:00まで、最終日は午前11:30まで