ビッグネームは揃って予選で姿を消してしまうのか!? 2日目は世界ランキング上位4名の巻き返しに注目
2017年6月16日(金)午後9:10
メジャー初制覇を狙うリッキー・ファウラーが7アンダーのビッグスコアで単独首位発進を決める中、ダスティン・ジョンソン、ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイ、松山英樹ら世界ランキング上位4人は揃って厳しいスタートとなる波乱の幕開けに。
さらに、フィル・ミケルソンがスタート前に欠場を発表。タイガー・ウッズとミケルソンがいない海外メジャーは1994年以来のマスターズ以来となる今年の全米オープン。2日目以降の展望についてはゴルフネットワークの解説を務める佐藤信人プロと内藤雄士ツアープロコーチに話を聞いた。
佐藤信人「初日以上に厳しいセッティングが予想される2日目、ビッグネームたちの巻き返しに注目」
■2日目前半解説:佐藤信人プロ
ファウラーの7アンダーを筆頭に好スコアが続出。全米オープンらしからぬアンダーパーがたくさん出た初日ですが、風があまり吹かなかったことが影響していると思います。リッキー・ファウラーが7バーディ、ノーボギーとピンチらしいピンチもない完璧なゴルフでしたが、メジャートーナメントでこれが4日間続くことはないです。ましてや全米オープンですから、2日目以降は厳しい戦いになるでしょう。
優勝を目指している松山選手にとって2オーバーは出遅れた感じはあると思いますが、USGAのセッティングを考えると上位進出の可能性も十分あります。
2日目以降も天候次第でコースの難易度はがらりと変わってきます。USGAも「初日の天候とコースセッティングでこのくらいのスコアが出るんだな」と把握したと思うので、明日はあまりスコアが伸びないような初日以上に厳しいセッティングにしてくるでしょう。徐々に「最難関メジャー」と言われる全米オープンらしい展開になってくると思うので、リーダーボードも動く可能性があります。
そういう点では初日に出遅れたダスティン・ジョンソン(+3)、ローリー・マキロイ(+6)、ジェイソン・デイ(+7)、松山選手(+2)ら世界ランキング上位4名のビッグネームたちが2日目にどれだけ巻き返してくるか注目です。
松山選手もホールアウト後に「残り3日あれば上を狙える位置だと思うので、ひとつひとつスコアを伸ばしていけるように頑張りたい」とコメント。まだまだこれからなので、2日目のプレーに期待したいですね。
内藤雄士「天候をどこまで読んでセッティングしてくるのかUSGAの狙いに注目」
■2日目後半解説:内藤雄士ツアープロコーチ
1997年のマスターズでタイガー・ウッズが優勝した時は初日の前半を「40」と躓きながらも後半「30」で回って、そこからにぶっちぎりの優勝でした。ニック・ファルドが引退する理由の一つにもなったと言われるほど、衝撃的な勝ち方でした。全盛期のタイガーでさえも4日間ずっと良いスコアとは限りません。特にメジャーでは何が起きるかわからない。大会前にものすごい調子の良かった選手が予選落ちすることも。
初日2オーバーの松山選手もパットさえ入れば5アンダーくらい出た可能性はあります。2打目を直接カップインしたイーグルはありましたが、バーディは1つもないのが苦しさを物語っています。池田選手が10番ホールのバーディでスイッチが入ってバーディを量産したように、松山選手も長いパットが入ったり、何かのきっかけで乗ってくれば良いスコアが出ると思います。
天候が変わらなければ2日目も初日同様にビッグスコアが出る可能性もあります。カットラインも1オーバーか、ひょっとしたら1アンダーになることも。ただし、悪天候となったら距離も出ませんし厳しい戦いになるのでカットラインも下がるでしょう。
注目はUSGAのセッティングです。USGAとしては二桁アンダーにいくような選手を一人だけ走らせるという考えはないと思います。そういう意味では初日以上に難しいセッティングにしてくることは想定されますが、一方で2日目は悪天候の予報なのでサンダーストームで中断となった場合の競技進行を考慮する可能性もあります。
難しくし過ぎてプレー時間が遅くなるよりは、予選ラウンドはこのままスコアが出やすいセッティングにしておいて、決勝ラウンドに入ってから全く違うコースのようにがらりと変えてくる考えもあります。
全米オープンゴルフ選手権
2日目 6/16(金) 午後11:00~翌午前10:00(LIVE)
3日目 6/17(土) 午後11:00~翌午前9:00(LIVE)
最終日 6/18(日) 午後11:00~翌午前9:30(LIVE)
【解説】佐藤信人プロ、ツアープロコーチ内藤雄士
【現地ラウンド解説】プロキャディ杉澤伸章
※2日目~3日目は最大延長午前11:00まで、最終日は午前11:30まで