松山英樹&石川遼の勝利の笑顔を是非とも見たい(舩越園子の2016ゴルフワールドカップ)
2017年3月21日(火)午後5:06
ワールドカップ開幕がいよいよ間近に迫り、米PGAツアーは日々、世界に向けてニュースリリースを発信している。その中で、いきなり目に付いたのは、こんなフレーズだ。
「今、ヒデキ・マツヤマ(松山英樹)以上にいい状態の選手は、この地球上には存在しない」
それは、それ以上ないというほどの松山への賛辞だが、お世辞ではなく事実。そして、ニュースリリースには松山の凄さを綴る文面が、さらに続いていた。
「三井住友VISA太平洋マスターズで2位に7打差を付けて勝利を挙げ、その前には上海で開かれたHSBCチャンピオンズを圧勝してアジア人選手初の世界選手権シリーズ制覇を成し遂げた。その前には日本オープンを3打差で制覇。そんなマツヤマがタッグを組むのはリョウ・イシカワ(石川遼)。この2人は第58回ワールドカップで優勝カップを母国へ持ち帰る優勝候補の筆頭だ」
これまた賛辞の連続だが、お世辞ではなく、今年のワールドカップの現実的な展開予想、優勝予想と言えるだろう。昨年までとはプレー形式がやや変更され、今年は2人1組のチーム戦のみで行われ、28組56人が参加する。4日間のフォーマットは初日と3日目がフォーボール、2日目と最終日がフォーサムで競われる。
昨年大会の覇者であるオーストラリアのジェイソン・デイとアダム・スコットは、当初は今年も揃って出場する意向を示しており、ディフェンディングチャンピオンであること、母国オーストラリアでの開催であること、世界ランキング最上位のコンビであることという3つの要素から、優勝候補の筆頭はオーストラリアと目されていた。
だが、デイは背中痛の悪化のため出場を辞退。米国からは世界ランキング上位のダスティン・ジョンソンやジョーダン・スピースらは出場せず、リッキー・ファウラーとジミー・ウォーカーのライダーカップ仲良しコンビが挑む。英国はマスターズ覇者のダニー・ウイレットが最近になって出場を辞退し、リオ五輪で金メダリストとなったジャスティン・ローズも出場しない意向を示した。
松山&石川の日本チームが優勝候補の筆頭に挙げられている背景には、そうした強豪選手たちが不在となることも当然、理由の1つではあるが、それ以上に松山の意気が驚異的に揚がっていることこそが、優勝候補と目される最大の理由であることは言うまでもない。石川は昨春から米ツアーを離れ、長期戦線離脱していたが、復帰早々に日本で勝利を挙げ、石川自身の意気も揚がりつつある。
そして何より、同い年の松山と石川はジュニア時代からの最大で最高のライバルだ。そんな2人が寄り添い、日本のために力をあわせれば、彼らが生み出すゴルフの力は2倍、いやそれ以上に膨らむであろうことは、彼ら自身が期待しているはずだ。
振り返れば、第1回ワールドカップで優勝したのはアルゼンチンだった。過去、何度も連覇を成し遂げ、ワールドカップを圧倒してきたのは米国だった。60年代のアーノルド・パーマー&ジャック・ニクラス、そして90年代のフレッド・カプルス&デービス・ラブ。2000年大会を制し、2001年に日本のファンを魅了したタイガー・ウッズ&デビッド・デュバルの存在もワールドカップの歴史に刻み込まれている。
その歴史に刻まれている日本人選手は過去4人。1957年大会を制した中村寅吉&小野光一。そして、2002年大会を制した丸山茂樹&伊澤利光だ。今でも鮮明に覚えている。メキシコで開催された2002年大会で優勝した直後、米国ロサンゼルスの自宅を経て日本へ凱旋帰国しようとしていた丸山とロサンゼルス空港でばったり遭遇した。
「去年(2001年)の大会は僕のパットが入らず、いろいろ言われたけど、今年はアメリカチームのダブルボギーを見た途端、フェアウエイでガッツポーズよ!」
興奮冷めやらぬ様子で格別のスマイルを見せてくれた丸山のあのときの笑顔には、自分自身の満足感のみならず、伊澤とともに日の丸を掲げたことへの達成感やプライドが溢れていた。
そんな弾けるような笑顔を今年は松山と石川が日本のファンみんなに披露するワールドカップになってくれたら、うれしい。みなさんの声援が松山と石川の勝利の笑顔を呼び込むことに、きっとなる
文/舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
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