アメリカチーム優勝の裏側には緻密な戦略 パッティングが好調な選手を揃える
2016年11月20日(日)午前9:51
4大会ぶりにライダーカップ優勝を果たしたアメリカチーム。強かったアメリカを取り戻すために丸々2年間、準備と戦略を進めてきたことが実を結んだ。そしてキャプテンのデービス・ラブが最後に見込んだ男、ライアン・ムーアが18番でバーディーパットを沈めライダーカップ優勝が決まった。8年の鬱憤を晴らすことができたアメリカチームの戦略はキャプテンをラブに指名した時から始まっていたのだ。
ラブは選手としてライダーカップに6回出場しているが、その時に一番戦いやすいキャプテンがトム・カイトだったという。選手の意見・要望を聞き入れ、戦いやすい環境作りに徹底したそうだ。前回大会で負けた際にフィル・ミケルソンが「我々にとって一番戦いやすいのはラブではないだろうか」と指名しラブが選ばれた。そして彼はいかに選手が戦いやすい環境になるかを作り今回の勝利に大きく貢献した。
そしてもう一つ、ヨーロッパチームを封じる作戦があった。それは“ピンの位置“だ。今回はグリーンのど真ん中など比較的簡単なところにピンが切ってあった。それによってエキサイティングなバーディー合戦を見ることが出来たが、例年よりピンポジションの設定が簡単すぎると言われることもあった。
ヨーロッパ、アメリカチームの選手のパッティングのスタッツを見ると、今年は断然アメリカチームの方が調子が良い。今年の1年間を振り返ると、ストローク・ゲインド・パッティング(パットのスコア貢献率)でジョーダン・スピースが2位、フィル・ミケルソンが9位、ブルックス・ケプカが20位、ザック・ジョンソンが25位、マット・クーチャーが28位、ライアン・ムーアが32位、ブラント・スネデカが33位、ダスティン・ジョンソンが36位とアメリカチームはTOP50位に入っている。
一方、ヨーロッパチームはBIG4と言われているジャスティン・ローズが134位、ローリー・マキロイが135位、セルヒオ・ガルシアが168位、ヘンリック・ステンソンが168位。グリーン上でストロークを失っている選手がヨーロッパチームのスター選手なのだ。
ボールストライキングのアドバンテージがあるということでもある。つまり、難しいピンの位置、狭いフェアウェイ、深いラフになったときは有利になるが、今回のようにパッティング合戦になったときはアメリカチームが絶対的なアドバンテージがあるのだ。そのような緻密な戦略を取り入れたことがアメリカチームの大勝に繋がったのではないだろうか。
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