大会連覇目前だったJ.スピース、まさかの失速 ?マスターズ?
2016年10月19日(水)午前11:43
メジャー初戦、マスターズが開催される米ジョージア州オーガスタにあるオーガスタ・ナショナルGCの11番、12番、13番は困難なホールの連続であり「アーメンコーナー」と呼ばれていることはゴルフファンであれば誰もが知っている。これらのホールをいかにクリアし終盤ホールへ向かうのかが勝負の分かれ道となることが多いことも。だが毎年ドラマが起きないことはなく、誰かが魔女の餌食となる。2016マスターズでは22歳(当時)のジョーダン・スピース(米)がその対象となった。
大会第1ラウンド、ノーボギーの6アンダー66のスコアをマークし、ジャック・二クラウス(米)、ニック・ファルド(英)、タイガー・ウッズ(米)に次ぐ、史上4人目の大会連覇へ単独トップの好発進を切る。続く第2ラウンドは強風と難しいピンポジションに苦戦し、2オーバー74と崩すも2位のローリー・マキロイ(北アイルランド)に1打差をつけ首位を守った。第3ラウンドもオーバーパーとしたものの堅首。2位に1ストローク差で最終ラウンドを迎えることになった。
大会連覇へ順調にスコアを伸ばしていくスピース。サンデーバックナインに入る時には2位に5打差をつけていた。ところが10、11番を連続ボギーとすると暗雲が漂いはじめる。12番パー3では2度池に入れるという、にわかに信じ難いプレーで4オーバー「7」。結果、伏兵・ダニー・ウィレット(英)にグリーンジャケットを譲ることに(スピースは2位タイ)。わずか3ホールで6ストロークを失った当人は「もう2度と起きてほしくない」と30分間を振り返り、2016マスターズは「スピースの悲劇」一色の大会となった。
「アーメンコーナー」の餌食となったスピースに対し、1965、66年大会を連覇しているニクラウスは「彼は本当に特別で、今まで数人しか成し得ていないことを史上最年少で果たそうとしたが、やり遂げることは出来なかった。彼には同情するが、間違いなくこの経験から学ぶことが出来る若者だと分かっているし、この出来事が彼にもたらすものがあるはずだ」とコメントを残している。
また、日本勢では松山英樹が13位タイ→5位タイ→3位タイと尻上がりに順位を上げ、「ついに日本男子初のメジャーVなるか」と、日本のゴルフファンを最後まで楽しませてくれた大会でもあった(結果7位タイ)。(写真:Getty Images)