PGAツアーでアマチュアが優勝できない理由
2016年11月1日(火)午前9:45
「PGAツアーでアマチュアが優勝!」そんな明るいニュースを聞きたいものだが、最後にアマチュアが優勝したのは91年に20歳の大学生アマチュアとしてノーザンテレコムオープンに出場したフィル・ミケルソンだ。以来25年間PGAツアーではアマチュアのチャンピオンが誕生していない。
ミケルソンは当時のことを振り返り「最終日の前夜、ホテルの駐車場を歩きながら、最終ラウンドの結果次第で自分のキャリアがどう変わるか、優勝したら何が起きるかなど、あれこれ考えていました。しかし、プレーしたらそんなことは忘れていました。結果を意識したら、ベストのゴルフはできませんからね」とメンタルの強さは当時から変わらない。
(写真提供:Getty Images)
優勝する前の年のクリスマスに翌年の3つの目標を紙に書いたというミケルソンは「1年後にそれを見て目標を達成できたかどうか確認するはずでしたが、目標を書いたことさえ忘れてしまったんです。実は3つの目標のうちの1つが“ノーザンテレコムオープン優勝"でした。紙に書いたことは忘れても、目標として意識の中に残っていたから、優勝への夢がふくらみ、あの大会で最高のプレーができたんだと思います」と当時のエピソードを語った。
ミケルソンがアマチュアとしてPGAツアーを優勝した当時は大きな話題となったが、それから25年もの月日の間に記録を塗り替えた選手はいない。今後10年以内にアマチュアの優勝は見れるのだろうか。解説のトリップ・アイゼンハワーは10年以内に優勝するのは厳しいという意見だった。というのも世界のトッププロ相手に優勝するためには当然ながら特別な才能や実力が必要。プロツアーで選手の層は厚くなる一方で、優勝するのは益々難しくなっている。また、プロの大会でアマチュアの優勝が減ってきたのは、優秀なアマチュアが早めにプロに転向する傾向があるためだ。ミケルソンのようにじっくりと準備し、プロの大会で優勝したことをキッカケにアマチュアを卒業するケースは少なくなっている。プロで通用する優れたアマチュアは、早めにプロ入りするからだ。
スーパースターと呼ばれる選手のほとんどはアマチュア時代からの活躍が目立つ。ミケルソンやタイガー・ウッズを超えるスーパースターになるには想像を絶する記録を打ち破ることが条件かもしれない。
ゴルフセントラル 1月14日号より
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