好調のカギはショートゲーム ペブルビーチで惜敗も復活の兆し見せるP.ミケルソン
2016年2月24日(水)午後0:10
前週の米男子ツアー、AT&Tペブルビーチプロアマ。その最終日最終ホール、ボーン・テイラーを1打差で追うフィル・ミケルソンは決まればプレーオフというバーディチャンスにつけた。ミケルソンが2メートル弱を沈めて73ホール目へ突入…かと思われたが、ボールは無常にもカップに蹴られて決着。2013年以来の勝利にはわずかに手が届かなかった。
(写真提供:Getty Images)
「もちろんガッカリしたが、練習を積んで課題を克服したいという意欲が沸いてきた。正しいことをしているという手応えがあるし、本調子に戻れば必ず優勝出来る自信がある」
今季はシーズン初戦で3位タイ、予選落ちを1度挟んでから11位タイ、2位とここまで上位を続けているミケルソンだが、2013年の全英オープンを最後に過去30か月以上は無勝利。とはいえ「充実感がある」「まだやるべきことがあると自覚した」と競技後に語った姿からは、今回の優勝争いを通じてツアー43勝目、そしてその先へ向けてモチベーションを高めている様子がうかがわれた。
米国Golf Channel解説のトリップ・アイゼンハワーもその点を評価しつつ、気になるキャリアグランドスラムの行方や今年9月開幕のライダーカップメンバー入りも含め、ミケルソンの今後のキャリアについて次のようにコメント。
……ミケルソンはすでに45歳ですが、コップの水は半分しか残っていないと見るべきか、まだ半分あると前向きにとらえるべきか。どちらでしょうか?
トリップ・アイゼンハワー
「私はミケルソンの今後を前向きにとらえています。決勝ラウンドの出来栄えをみても、ボールストライキングが不安定でも難しいペブルビーチで6アンダーを記録し、今後を期待させるだけのパフォーマンスを見せました。不安定なショットは今に始まったことではなく、何年も前からの課題です」
「そして本人のコメントからも、ゴルフを楽しんでいる様子や今後に向けてのやる気が伝わってきます。調子が良ければ年齢に関係なく期待させてくれる選手です。全米オープン優勝に加え、ライダーカップのメンバー入りを果たせるかにも注目が集まります。このままいけば、どれも十分可能性があるでしょう」
また同解説のマット・アダムズは、新コーチの下でトレーニングを続けるミケルソンのプレー面での変化を指摘。今季の具体的なスタッツを例に挙げながら、ここまでの好調を支えている要因にショートゲームを挙げた。
マット・アダムズ
「ミケルソンはフェアウェイキープ率では110位につけていますが、ストロークス・ゲインド・パッティングでは今季なんと4位です。他にも注目すべきデータがあります。120?125ヤードの距離からピンに寄せた距離の平均では昨季183位でしたが、今季は6位に急浮上。スイングを改造したことで自信も備わり、余計なプレッシャーも減ったでしょうが、その好調ぶりにもっとも貢献しているのはショートゲームなんです」
そして、最も気になる今後の勝利数についてはトリップが大胆予想。スイングの特徴からいって選手寿命は長いはずとしつつ、ずばり「あと4勝」は出来るだろうと今後の活躍に太鼓判を押している。
…ミケルソンはツアー通算42勝。同45勝のウォルター・ヘイゲンに次いで歴代9位ですが、ヘイゲンを上回れると思いますか?
トリップ・アイゼンハワー
「ヘイゲンを越えると思います。去年8月に同じ質問を受けていたら、『ミケルソンのキャリアは、あと1勝か2勝で終わる』と答えたかも知れませんが、今の調子から判断して、あと4勝、つまり通算46勝には達するでしょうね。ミケルソンのようにスイングアークの大きなプレーヤーは、選手としての寿命が長いと言えます。同じようなスイングが特徴のデービス・ラブIIIは去年、51歳で優勝しましたよね。ミケルソンが2年半以上も優勝から遠ざかっているのはキャリア初ですが、もうすぐ勝つでしょうね」
ゴルフセントラル 2月16日号より
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