最後の“ブルーモンスター”? D.トランプ氏が今後のPGAツアー開催について語る
2017年2月18日(土)午後0:36
世界トップクラスのクォリティを見せたトランプ・ナショナル・ドラルで行われたWGCキャデラック・チャンピオンシップ最終日。アダム・スコットが制した優勝争いとともに注目されたのが、同コースのオーナーでアメリカ大統領候補のドナルド・トランプだ。
大会最終日に自家用ヘリコプターで颯爽と会場に現れた共和党指名候補争い真っ只中のトランプ氏は、ローリー・マキロイやダスティン・ジョンソンと話し込むシーンも見られ、そのすぐあとにGolf Channelのインタビューに応じた。
-まず、あなたはなぜ、このような大事な時にドラルに寄ったのですか?
ドナルド・トランプ
「私はトランプ・ナショナル・ドラルに大きな誇りを持っています。選挙関連の番組ばかりを見ていましたが、今週はその合間にトーナメントの中継も見ていました。それくらい、私にとってこの大会も大事です。最近、アメリカを代表するリゾートの1つに選ばれました。5年前、このリゾートを買い取ったときからたくさんのお金をつぎ込み、ここまで新しく、きれいなリゾートにしました。ブルーモンスターもさらに美しくなりましたね」
-来年のこの大会について、去年の12月は何も決まっていませんでしたが、来年以降の開催について、ツアーと話をしましたか?
ドナルド・トランプ
「私は、ツアーともキャデラックとも良い関係を築いています。実際、キャデラックと私の事業は契約を3年延長したばかりです。世界中の私のリゾートでキャデラックの車を使っており、リゾートのゲストもみんな喜んでいます。そこで、キャデラックとの契約を延長しました。ただ、キャデラックとPGAツアーがどのような話をしているのかはわかりません。私はコースを提供しているだけです。ですが、フロリダ南部で開催される大会につきたいスポンサーはたくさんいます。キャデラックと話がまとまらなくても、すぐに新しいスポンサーがつくでしょう」
-ゴルフの普及に対する責任は感じていますか?
ドナルド・トランプ
「ゴルフにもありますし、私が所有するリゾートに対してもあります。このリゾートは5年前に買ったので、タイミングは最高でした。今とは全く違う時代でした。コースを買ったとき、私はどこまで建て直しに力を注ぐか、決断を迫られました。改修にそこまでお金をつぎ込む必要はないという考えもありましたが、貴重な立地条件だったので、大分力を入れましたね」
-あなたは立候補の発表をした直後に、ゴルフは憧れの対象になる必要があると話しました。あれから考えは変わっていませんか?どうしてそのような発言をしたのか、説明していただけますか?
ドナルド・トランプ
「ゴルフは憧れるスポーツであるべきです。成功した人がプレーするスポーツ。
最近では、サッカーゴルフなるものが出てきましたよね。50センチのカップに入れる遊びです。私は伝統を重んじる人間です。サッカーゴルフが良いか悪いかはわかりませんが、個人的には好んでいません。ゴルフは憧れの対象であってほしいです。また私は、ゴルフクラブの販売にも貢献しています。どのメーカーのクラブにも、私は売り上げに力を貸しています。ですが、ゴルファーが半年ごとにドライバーを変えるのは好きじゃないですね。次々に新しいドライバーが出るので、すぐに時代遅れになってしまいます。私は、ゴルフがもっと多くの人が憧れるスポーツになってほしいです。ゴルフコースのメンバーになることが目標になるなど、全員にはわかってもらえないでしょうが、私はそう考えています」
-あなたが大統領になることは、ゴルフにとっても良いことでしょうか?
ドナルド・トランプ
「そう思います。答えは簡単、私はゴルフが大好きだからです。ゴルフを好きな人が大統領になるほうが良いでしょう。私はゴルフ界に貢献してきました。5、6年前にいくつものコースを買収しています。ニュージャージー州のパイン・バレーの近くにも買いました。素晴らしいコースです。元から素晴らしかったのですが、私がグレードアップさせました。当時見合った金額で買い取り、改修にお金を当てました。このドラルも良い例です。ここを買い取ったあと、2億5千万ドルを費やして改修させました。大きな変貌を遂げています。ゴルフに貢献してきたと思います。資金難のコースを買収し、立て直しました。大金をつぎ込み、頭を使って、ギル・ハンスやトム・ファジオを雇いました。良い結果を出したと思います」
-最後にラウンドしたのは?
ドナルド・トランプ
「そうですね、2週間前です。レクシー・トンプソンと9ホールプレーしました。
レクシーはパーム・ビーチにあるトランプ・インターナショナルのメンバーで、よく練習しています。私は思いのほか良いプレーができたんですが、レクシーは32で回りました。それも、バックティーからです。6700ヤード近くある設定でですよ。フロントナインを32で回り、良いゴルフだね、と言いました。あとで妻に、あなたはレクシーよりも上手なの?と聞かれて、そんなことは聞くんじゃない、と答えました」
また、PGAツアーのコミッショナー、ティム・フィンチェムが記者会見を開き、この大会の将来についてコメントした。
ティム・フィンチェム
「50年以上にも渡り、私たちのスポンサーを務めたきたキャデラックのメーカーとの契約は今週いっぱいまでです。今後のことは、すぐに答えが出ると思います。私たちは長い間、いい関係を保ってきたので、もしスポンサーとして残っても、残らなくても、感謝の気持ちは変わりません。特に、マッチプレー存続のときは、とても大きな力になってくれました。これからはオースティンでいいマッチプレーが見られるでしょう。今後のスポンサーシップについてはまだ不明です。過去30年を振り返っても、この地域から撤退したことはありましたが、めったには起こっていません。私たちは先にどうすれば改善できるかを考えます。離れることは選択肢として挙がっていません」
トランプ・ナショナル・ドラルでは真の実力が試されてきており、過去にはタイガー・ウッズなど数々のトッププレーヤーたちがチャンピオンに輝いてきた。去年はジョンソンが5打差を逆転、今年はアダム・スコットが見事な逆転劇で2週連続優勝を決めた。果たして“ブルーモンスター"で来年以降もPGAツアーは開催されるのだろうか。
ゴルフセントラル 3月7日号より
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写真提供:Getty Images