愛妻の応援に後押しされたフィル・ミケルソン（米）が、昨年のマスターズ以来となる優勝に向け好調なプレーを続けている。

　現地時間28日に行われた米男子ツアーのファーマーズ・インシュランス・オープン（カリフォルニア州、トリーパインズGC）第2ラウンド。この日ノースコースを回ったミケルソンは4バーディ、1ボギーの3アンダー69にスコアをまとめ、通算8アンダーで首位と3打差の3位タイに浮上。地元のカリフォルニア州サンディエゴでツアー通算39勝目が狙える好位置につけた。

　成績もさる事ながら、何よりミケルソンを喜ばせているのが乳がんと闘病中の妻・エイミーさんの回復ぶり。今大会予選ラウンドの2日間、エイミーさんはミケルソンの組について歩き声援を送ったのだが、彼女が本格的に試合を観戦するのは2シーズンぶりのこと。ミケルソンが優勝した昨年のマスターズでは夫に内緒で最終日コースに姿を現し、18番のグリーンサイドで喜びを分かち合ったが、コースを徒歩で回る応援は2009年ザ・プレーヤーズ選手権以来なのである。

「彼女が元気に笑っていてくれるのが、僕にとっての一番の幸せ。最悪の時を乗り越えたという実感がある」と、愛妻の笑顔に勇気百倍のミケルソン。前週出場した欧州ツアーのアブダビHSBC選手権では37位タイと不本意な結果に終わり、世界ランクも4位から6位へ後退。欧州勢が台頭する現在のゴルフシーンにおいて、米国勢の代表として実力を見せつける必要がある。妻の回復と同時にミケルソン本人の成績も一気に“回復”させたいところだ。