プロ11年目にして初優勝を飾った男の勢いは止まらない。今度は世界の舞台でみせた。11月に中国で開催された世界ゴルフ選手権（WGC）シリーズのWGC-HSBCチャンピオンズで優勝争いを演じてみせたのだ。同大会は、優勝者には賞金1億数千万円と世界各ツアーでの複数年シード権が与えられるなど、メジャー大会に次ぐ規模で行われたビッグイベントだ。

　首位に1打差の2位と最終組で迎えた最終日。前半はノーバーディ、2ボギーと我慢の展開で優勝戦線から一歩後退するも、バックナインで挽回。17番で5メートル弱のパーパットをねじ込むと、18番では決めればプレーオフというバーディチャンスをつかんだ。岩田が打ったボールは無残にもカップの左を通過し、WGC日本勢初制覇という快挙こそ逃したものの、米ツアー出場4戦目にして堂々3位タイ。世界の舞台で戦えるという自信を得た一戦となった。

　その後、ダンロップフェニックスで単独2位に入るなどトップ10入り11回、賞金ランキング4位でシーズンを終えた岩田。2015年は米ツアーのシード権を目指す一年となる。昨年12月に行われたウェブ・ドットコム・ツアー（米下部ツアー）のファイナルQTは迷った末に受験しなかったが、今後は世界ランキング（現在67位）を上げ、メジャー大会やWGCに出場してフェデックスカップポイント獲得を目指す。

　HSBCチャンピオンズで4,000万円強の賞金とフェデックスカップポイントを獲得しているため、推薦による米ツアー出場も見込まれ、スポット参戦でポイントを積み重ねたいところだ。目標は来季（2015-16シーズン）の米ツアーシード権が得られるフェデックスカップランク125位以内。もしそれに届かなければウェブ・ドットコム・ツアーファイナル（入れ替え戦）出場を経て、米ツアー参戦を目指すことになる。世界を目指す岩田に注目だ。