1,000万ドル（約9億1,200万円）のビッグボーナスを巡るし烈な戦いが、いよいよその幕を切って落とす。

　米男子ツアーは今週フェデックスカッププレーオフシリーズ最終戦のザ・ツアー選手権を開催。過酷なサバイバルレースを勝ち抜いてきた30名がジョージア州アトランタのイースト・レイクGCを舞台に現地時間24日から4日間に渡り熱戦を繰り広げることになる。

　同シリーズ3年目に突入した今季はポイントシステムが大幅に変更され、一発逆転がある方式を採用。そのため、フェデックスカップポイントランク1位のタイガー・ウッズ（米）以外がカップを奪取するチャンスも大いにある。

　ところでトッププレーヤーたちの晴れ舞台に水をさしかねないのが現地の天候だ。7日間に渡って降り続いた雨により増水した河川が溢れ、橋が崩壊して7人が流され命を落とすという天災に見舞われたばかりの同地。22日になってようやく晴れ間が見え始めた。雨があがった当初は「コースはまるで洪水。フェアウェイが湖のようだった」とPGAツアーの競技委員マーク・ラッセル氏が語るほど試合開催が危ぶまれた瞬間も。しかしコース管理スタッフの必死の努力により決戦の準備は整った。

　前週を完全休養にあて、満を持して2年ぶり2度目のカップ奪還を狙うタイガー。そのタイガーの勝利阻止を目指す同ランク2位のスティーブ・ストリッカー（米）。約2年優勝から遠ざかっている同ランク3位のジム・フューリック（米）らトップ30のフィールドにはスター選手が目白押し。だが、ディフェンディング・チャンピオンのカミロ・ビジェガス（コロンビア）は今回、トップ30入りを逃し出場していない。08年のフェデックスカップ王者ビジェイ・シン（フィジー）もまた然り。浮き沈みの激しさは、そのままツアーの生存競争の厳しさを物語っている。

　プレーオフシリーズ最終章、本命のタイガーを脅かすのは果たして誰だ？