マスターズ出場に向けて残り少ないチャンスを探る石川遼だが、苦しい戦いが続いている。

　優勝すればオーガスタ行きの切符が手に入る米男子ツアー、バレロ・テキサス・オープンは現地時間27日、テキサス州のTPCサンアントニオを舞台に第1ラウンドの競技を行ったが、濃霧のためにスタートが約2時間30分遅れた。そのため、45人がホールアウトできずに日没サスペンデッドとなったが、石川は18ホールを回り終えた。

　ところが、この日はスタートホールの10番からボギーが先行し、12番もボギー。14番パー5でようやく1メートルのパットを沈めてバーディを奪ったが、17番ではティーショットをバンカーに入れて、またしてもボギーを叩いてしまう。それでもめげずに18番で1.5メートルを入れるバーディで1オーバーに戻して折り返すが、続く1番で悪夢が待っていた。

　ティーショットを左に曲げネイティブエリアに入れてしまいトリプルボギーの『7』を叩いて4オーバー。それでもツアー2年目の男は粘り強くプレーを続けて2番で1.5メートル、6番で1.2メートルとバーディ2つを奪って巻き返し、なんとか2オーバー74でホールアウトしたが、暫定85位タイと予選通過すら危ぶまれる状態に陥ってしまった。

　上位陣は、4アンダー68でホールアウトしたパット・ペレス（米）、ダニー・リー（ニュージーランド）とアンドリュー・ルーペ（米／11ホール終了）が暫定ながら首位タイに立ち、ノ・スンヨル（韓）、ウィル・マッケンジー（米）、キャメロン・ベックマン（米）、チェッソン・ハドリー（米）ら6人が1打差の暫定4位タイで追走。さらに1打差の暫定10位タイにアーロン・バデリー（豪）、ザック・ジョンソン（米）、ジム・フューリック（米）、マット・クーチャー（米）ら20人がつける混戦模様。第1ラウンドの残りと第2ラウンドが行われる28日以降も、まだまだ気の抜けない戦いが続く。

　その他の主な選手は、アーニー・エルス（南ア）が石川と同じ暫定85位タイ、レティーフ・グーセン（南ア／15ホール終了）、ロバート・アレンビー（豪）が3オーバー暫定105位タイ、パドレイ・ハリントン（アイルランド）は4オーバー76で暫定121位タイ。マスターズ通算3勝で、1992年以来実に22年ぶりに同大会に出場したフィル・ミケルソン（米）は2バーディ、5ボギー、1ダブルボギーの5オーバー77を叩き、暫定135位タイと大きく出遅れている。

　尚、石川がマスターズ（4月10?13日／ジョージア州オーガスタナショナルGC）に出場するには、今大会か次週のシェル・ヒューストン・オープン（4月3?6日／テキサス州レッドストーンGC トーナメントC）で優勝することが必須。出遅れたのはたしかだが、それでも首位グループとの差は6打。2日目以降にチャージを見せればまだまだチャンスは残されている。