有村智恵が米ツアーフル参戦初戦で好スタートを切った。

　米女子ツアー今季第3戦、HSBC女子チャンピオンズは現地時間2月28日、シンガポールのセントーサGCを舞台に第1ラウンドの競技を終了。7アンダー65でプレーしたアザハラ・ムニョス（スペイン）が単独首位に立ち、ステイシー・ルイス（米）ら5人が2打差で追走。ロレックスランキング（女子世界ランキング）No.1のヤニ・ツェン（台）、同13位のポーラ・クリーマー（米）の実力者2人を含む4人がさらに1打差で追う展開となっている。

　昨年のクォリファイング・トーナメントを突破して今季から米ツアーを主戦場に戦う有村は、5バーディ、2ボギーの3アンダー69で回って、全集大逆転負けを喫した17歳のアリヤ・ジュタヌガーン（タイ）、チェ・ナヨン（韓）、フォン・シャンシャン（中）らと並ぶ11位タイで初日を終えた。

　18ホール中、パーオンしたのは実に16回。このアイアンの冴えが有村を支えた。フロリダでみっちりと合宿して備え、新たな気持ちで臨んだ今シーズン。早いうちに結果を出してのびのびと戦うべく、有村は走り続ける。

　首位のムニョスは、この日最初の組でスタートしての好発進。「良くわからないけど、たしかにツアーでのベストラウンド3つはトップスタートだった。だから『いつもそうして欲しい』とジョークを言っていたほど。もちろん待ち時間はないしグリーンはパーフェクトだった」とアドバンテージを見事に生かした。

　また、首位と3打差の7位タイにつけたツェンは、いつもツアーに帯同しているマネージャーとある賭けをしてラウンドに臨んでいた。ツェンが『68』以下でプレーすればツェンの勝ち。ハワイで一緒にスカイダイビングに行く。『70』以上だったらマネージャーの勝ち。ツェンがルイヴィトンのバッグを買ってあげるというものだ。この日のツェンは2アンダーペースで最終ホールを迎えたが、ここで見事にイーグルを奪取。賭けでも勝ちを収めた。「彼女（マネージャー）はローラーコースターも怖かるくらいだから（イーグル）パットが入ってうれしい。（スカイダイビングで）彼女の顔を見るのが楽しみ。きっと泣いちゃうでしょう。友達と何か賭けをしてそれに向かってプレーするのは楽しい。おかげで今日はすごくリラックスできた」と笑ったツェン。実力発揮の裏には思わぬ秘密があった。

　その他の主な選手では、開幕戦を制した申智愛（韓）、カリー・ウェブ（豪）が1アンダー71で29位タイ。前週優勝のインビー・パーク（韓）、スーザン・ピーターセン（ノルウェー）、レクシー・トンプソン（米）らは1オーバー73の44位タイとやや低調なスタートとなった。

　有村以外の日本勢では、宮里美香が4オーバー76で58位タイ、上田桃子は6オーバー78で単独61位と大きく出遅れた。なお、エースの宮里藍はタイでの玉突き事故の影響で出場を回避している。