女子ゴルフ界にティーンエージャー旋風が吹き荒れている。地元期待のジュタヌガーン姉妹（タイ）の妹、17歳のアリヤがバックナインで5連続バーディを奪い一躍トップに躍り出たのだ。

　米女子ツアー今季第2戦、ホンダLPGAタイランドは現地時間23日、タイのサイアムCCを舞台に第3ラウンドの競技を終了。強風の難コンディションに各選手ともスコアメイクに苦しむ中、単独2位からスタートしたジュタヌガーンが7バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの出入りの激しいゴルフながら2アンダー70にスコアをまとめ、通算11アンダーで単独首位に浮上した。

　前日まで首位を走っていた昨季のプレーヤー・オブ・ザ・イヤー（年間最優秀選手賞）ステイシー・ルイス（米）は上がり3連続ボギーを叩いて4オーバー76の乱調。通算8アンダーまでスコアを落とし、朴セリ（韓）、ベアトリス・リカーイ（スペイン）と並び首位に3打差の2位タイに後退した。

　欧州女子ツアールーキーのジュタヌガーンは今大会に主催者推薦で出場中。「タイ中の人々の期待を背負っているような気がして、フロントナインはものすごくプレッシャーを感じました。でも皆の声援を聞いているうちに徐々にプレッシャーが吹き飛んで…」10番からの怒濤の5連続バーディに繋がった。

「でもその割には2アンダー70は物足りないですね」と、はにかんだ17歳。本大会にはまだ小学校に通っていた11歳のときに初出場。米女子ツアーの最年少出場記録を塗り替えたこともあり、昨年受けたヨーロッパのQスクール（プロテスト）最終予選を期待通りトップで通過した。地元Vの可能性を問われると「あまり余計なことを考えず自分のゴルフをしたいです」と無欲を強調。開幕戦では15歳のリディア・コ（ニュージーランド）が優勝争いを演じ話題になったが、今週の主役は間違いなくジュタヌガーンだ。

　一方、日本勢は2バーディ、2ボギーのイーブンパー72で回ったツアールーキーの上原彩子が通算3アンダーで申智愛（韓）、レクシー・トンプソン（米）らと並び13位タイにつけたのが最高。昨季大会で優勝争いを演じ単独2位に入った歴代チャンピオンのひとり宮里藍は2オーバー74と崩れ、通算2アンダーでコらとともに19位タイに後退した。

　また宮里美香は通算1オーバー34位タイ、上田桃子は通算2オーバー38位タイにとどまっており、スポット参戦の諸見里しのぶはこの日7オーバー79を叩き通算8オーバー57位タイ。比嘉真美子は通算14オーバー単独69位に低迷している。