2012年米女子ツアーでもっとも意外だった出来事の1つが絶対女王と目されたヤニ・ツェン（台）がスランプに陥ったことだろう。

　開幕した途端、立て続けに3勝を挙げた時には前途に不安など微塵もないように見えた。ところがディフェンディング・チャンピオンとして迎えたウェグマンズLPGA選手権でまさかの59位タイに甘んじると、以降予選落ち3回、トップ10入りは終盤のアジアシリーズ3試合だけと予想外の低迷が続いた。

　首の故障で思うようなスイングが出来なかったことが低迷の原因だと囁かれているが、ファンにとってはまさに期待外れ。

　それでも本人は「忘れてもらっては困ります。私はまだロレックスランキング（女子世界ランキング）1位なんですよ。3勝したし十分に良いシーズンでした」と周囲の不安を吹き飛ばすような、飛び切りの笑顔を見せる。だが故障が癒えなければ完全復活は難しそう。2013年は女王ツェンにとって正念場といえるかもしれない。